バスケのシュートでコツやフォームより大切なこと

バスケのシュートのコツ、フォーム

よいシュートフォームとはこういうもの。シュートを打つときのコツはこう。世の中にはこうした情報がたくさんあります。

例えば大殿筋、大胸筋。指のかかり、脚のターン、BEEF。ボールの真ん中を押し出すこと、ディップ、ホップ、スウィープアンドスウェイ。そのどれも筋が通っているでしょうし、人によってはいいものになるかもしれません。

ですが人の身体は千差万別です。その工夫がいまの自分にとってよいものかはわかりません。また、そうしたコツやよいフォームを知ることで、かえって動きを硬いものにしてしまうこともあります。そういう人は「こう動くように」と身体に強いることが、かえって事態を難しいものにしているのかもしれません。

それはシュートの飛距離を伸ばそうとして、筋トレをしてしまうことに似ています。どこかの部分が重要だと思い込んで、そこを使おうとしてしまい、良くないときには筋肉を硬いものにしてしまいます。ですが、身体に力が流れるようにし、バランスと弾みでシュートを打てば、筋トレをせずともシュートは届きます。

誰でもうまく力を流せなかったり、意識しづらい部分があります。ここでカギになっているのは身体に気づくこと、気を通すこと、身体と繋がることです。

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たくさんのコツの知識

下半身からのパワーが大事、連動が大事と聞いたことがある人は多いでしょう。ネットで情報を探す人の中には、自分が連動できているかいまいち確信できなかったり、連動するための適切な身体の使い方を知りたい人がたくさんいます。

試しにシュートをセットしているイメージで、あごを引いて、首と頭が前にいかないようにしてみましょう。肩が丸まって猫背になってしまっては、綺麗なアーチは難しいですからね。反り腰にもならないように。ガイドハンドは添えるだけ。

いま、そういう姿勢をしようと意識したことで、身体になにか変な感じがしたかもしれません。綺麗なフォームにはならないような感じが。

ここを見ている方なら、正しい打ち方を求めて、筋肉や関節に注目する方法を目にしたことがあるでしょう。三角筋や股関節、ハムストリングについての説明は、どれも理に適っていたかもしれません。けれどそういった原理や理論を読んで、シュートは上手くなりましたか?

たとえばシューティングフィンガーの話があります。リリースする最後の指は人差し指なのか、中指なのか、それとも両方なのか。それがわかったとして、そのときの親指と薬指と小指はどうしますか。縫い目と爪とタッチの関係についての情報も目にしますが、それは役に立つものでしょうか。

ボールの持ち方はどうでしょう。セットするときに手のひらはつけるのか。NBA選手の構え方がそれぞれ違うのも、あなたはたぶん知っていますね。手の形や大きさによるのだとしたら、誰かの正解を追っても自分に役立つ答えは見つかりません。

背中が反ること、前に身体が流れることは、そのときの自分にとって正解でしょうか。真っ直ぐ跳んで着地は真下にという情報は、綺麗なフェイドアウェイと辻褄があいません。
スタンスはターンでの半身か、正対か。足の幅はどのくらいで、つま先の向きはどうすればいいでしょうか。脇を締めてひざは内股に?

分解して知識を得るほど、試せば試すほど、身体はどんどん緊張して、なめらかで心地いい連動から離れていく感じがしますね。知識を確認しながらシュートを打つとき、必要なところとは別の脳の部位を使ってしまっています。

シュートタッチがいい選手と悪い選手の差は、知識、やり方、形式なのでしょうか。くせを直すことが大事といわれますが、いいフォームを知っても、センスは変わりません。

努力を減らす努力

もう一つ大切なことがあります。寓話のむかでとカエルの話のように、考えたり意識すればするほど、調和の取れた動きから遠ざかってしまいます。特定の部位をコントロールしようとすればするほど、無用な緊張を生んでしまうのです。

届かないからといってどこかの部位を使おうとすれば、力んで全体の安定感が減ります。誰かからフォロースルーとスナップを強調されたことがあるかもしれません。真っ直ぐ左右にずれないように、いい回転がかかるように、肘をまっすぐリングに向けて、しっかりと振りきる。そうしようと努力することで、痛みを覚えたことはありませんか。

上手くなりたい、高い精度と再現性を手に入れたいと頑張る反面、肘と手首の痛みに悩んでいる人が多いのは、その人たちが正しい打ち方を知らないからでしょうか。教えられたように正確に打とうとすると怪我をしてしまうのは、「そうしようと頑張る」ことに問題があります。

クイックリリースしようとすること、放物線を矯正して入射角を45度にしようとすること、狙うところを決めること。リズムを大切に「しようとする」こと。どれも意識しているときは、余計ではありませんでしたか。かえって上手くいかなったのではないですか。シュートのときのくの字は結果として起こることであって、くの字に「しようと」してもおかしなことになるでしょう。

あなた自身の感覚が豊かであるほど、余計なコツの知識に惑わされずに、自分の無用な努力や違和感に敏感になれるでしょう。努力「しようと」することも減るでしょう。

メンタルより感覚

シュートの軌道を高くしようとしたり、飛距離を調節しようとすると、もっと楽にと言われたりしますね。ですがディフェンスのプレッシャーの中で脱力することはできますか。
スランプや不調の波、練習では入るのに試合では入らないこと。そのとき問題になっているのは、精神性や気持ちではなく身体の感覚です。

ここでは筋力の話をしているのではありません。柔らかいシュートが大事だといわれる一方で、体幹トレーニングで身体を固めていることに疑問を持ったことはありませんか。反復練習が大事だと言われたことはあっても、手の感覚器官を開発することが大切だと教える人はなかなか見かけません。

軸、重心、バランス。大切とされているそれらは、結果として得られるものです。必要なものは何でしょうか。そういった身体の感覚を持っている人とは才能が違うのでしょうか。

感覚の深みや周囲への知覚を検討したことはありますか?

自然に気持ちよく動いてくれる身体になるのに、必要なものは身体そのものへの理解です。

それがどのような方向性のものかは、こちらのnoteに書きました。少し体感してみれば、いままでとは違った努力の選択肢があると思えるかもしれません。

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