競技能力を高めるための、スクワットの正しいやり方と効果のまとめ

スクワットの正しいやり方と効果

下半身は上半身よりはるかに大きなエネルギーを生み出せる。足腰は日常的に私たちの数十キロもの体重を支えるだけではなく、急な加速や方向転換、静止に耐えるだけの柔軟性と強度がある。中でも太ももが生み出すパワーは大きく、バスケットボールをはじめとしたスポーツでのパフォーマンスに大きく影響する。

ここでは下半身を鍛えるスクワットの正しいやり方を伝える。この筋トレで肝心なのは正しいフォームと回数を心がけること、そしてどの筋肉に意識をおいてエクササイズするかということだ。

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スクワットの効果と正しいやり方


スクワットとはどのような効果があるのか

スクワットは下半身運動の王様と呼ばれるほど、オーソドックスなトレーニングだ。鍛えられる筋肉は、お尻の大臀筋、大腿四頭筋、もも裏のハムストリングスといった筋肉量の多い箇所が主であり、これらの部分の筋力が運動時の瞬発力や跳躍力、静止や安定性にとても大きな影響を与える。

上方向へアプローチできる力が求められるバスケットボール選手にとっては、特にジャンプ力を高めるためにポイントになるトレーニングといえる。下の記事で紹介しているジャンプアタックという書籍のメニューにも、スクワットは取り入れられている。

参考記事:身長差なんて覆せ!バスケットのジャンプ力を高めるトレーニング方法

スクワットはダイエットにも効果がある。数あるエクササイズの中でもっとも鍛えられる筋肉量が多いため、単純に筋肉を増やしていくだけで、他の筋トレで得られるより多くの筋肉量を得られ、それが身体全体の代謝をあげる。腹筋500回で得られる筋肉量を、スクワットならば15回で得られるといわれるほどだ。

例えばお腹回りの体脂肪を落としたいのなら、腹筋を数多くやるよりもスクワットに取り組んだほうが、身体は細くなる。食事制限などよりも、よほど健康的に痩せていくことができる。

太り気味の選手がスクワットによって効率よく痩せることができれば、それによって身体が軽くなりジャンプ力も伸びていくことにもなるだろう。つまりスクワットは筋肉と脂肪にうまく働きかけて、効果的に競技能力を向上させていくよいトレーニングだといえるのだ。

スクワットの正しいやり方・フォーム

立った状態でスタンスを肩幅より左右足1個分ずつほど外にとる。肩幅程度で、自然に腰が落ちやすい場所を探そう。

ひざが曲がる方向とつま先の向きが違うと、傷害がひざに起こってしまう可能性が高いので注意。極端な内股や外股にならないように。軽い負荷のうちからフォームを意識して、やや開いたつま先と膝を曲げる方向が一緒になるようにしよう。

両手は軽く握りこぶしを作った状態で、耳の横に上げる。見えないバーベルを掴んでいるようなイメージで。上体が前方に向かって丸まってしまわないように。お腹に空気を入れて腹圧を高める。背中にもお腹にもしっかり力が入っていることを確認すること。

目線を前方にすえて、ゆっくりとお尻を落としていく。「ひざを曲げる」というよりも、「腰を落とす」「お尻を下げる」イメージを持った方が、スクワットの本来の目的に適う。

スクワットの動画


お尻を下げようとすると、重心が後ろの方へ移動する感じになる。初心者はこれを防ぐためによく上半身を前に倒してしまうが、しっかりと背筋を伸ばして上体を立てる。なるべく鏡の前でチェックしながら行おう。腹筋と背筋がバランスよく働いているときに、安定した美しいフォームになるはずだ。スクワットは体幹の強化にもなる。

参考記事:ボディバランスの強化に、体幹トレーニングのいくつかの方法と効果

お尻を下げ続けるときには、つま先が浮くことのない程度にかかとに重さが乗っかっていることを確認しよう。太ももと床が水平になる位置を目安に止める。今度は同じようにして腰を上げていく。かかとに体重が乗り、お尻やハムストリングで上がっている感覚がある。慣れていなければ太ももの前面の筋肉が多く動員されてしまう。だがこれは「止まる」動きに関わる大腿四頭筋に多くの負荷がかかる一方で、「動く」動きに関わるハムストリングスや大殿筋にかかる負荷が少なくなる。

瞬発力やジャンプ力などの爆発的な能力が欲しいのなら、上がってくる際に、太ももの裏側やお尻の筋肉を動員するように意識しよう。スクワットをやる前に、お尻や太ももの裏をさすったり軽くたたいてみて、筋肉の感触を確かめる。そしていざ上げる時には太ももの前面ではなく、それらの筋肉にぐっと力がこもっていることを意識してあげるのだ。初めのうちはわからないかもしれないが、繰り返すうちに感覚を掴むことができるようになる。

股関節

回数と重さ、頻度と回復について

低負荷の自重からはじめて、10回のレップ数を1分間のインターバルをはさんで3セット行うといいといわれる。腰を落とす時にはゆっくりとコントロールする感覚を持つ。。スロートレーニングの要領で降ろすことで太ももにエキセントリックな収縮が起こり、普通に降ろした時よりも速筋を発達させる、質のいい負荷がかかる。

膝を完全に伸ばしきったり、曲げきったりしない、その直前でスムーズに反対の動きに折り返していくこと。10回を連続的な一続きの運動にすること。何回、何キロ、何セットという数字を達成すること自体を目標にしない。やりすぎは筋力が伸びない原因になりえる。回数ではなく、あくまで質を重視する。

スクワットは負荷が強いトレーニング方法になるので、毎日のように行わない。負荷が少ないと感じるようなら、フォームがおかしいか、ゆっくり降ろしておらず追い込めていない。何日おきにやるべきと言う明確な基準はないが、最低でも前回から48時間をおき、充分な睡眠と食事で超回復を図りながら行う。筋トレで分泌される成長ホルモンを翌日以降の休息で生かすことが、筋肥大や筋力アップの大事なコツになる。

参考記事:簡単でわかりやすい、スポーツ選手にも役立つ栄養と食べ物ガイド
参考記事:すぐに寝れる、疲れもとれる、ぐっすり気持ちいい眠りのポイント2つ

重量をいきなり大きなものにしてしまうのは怪我の元だ。思いも寄らない負荷がかかり、後方へ大きく引っ張られたり、前方へ潰れてしまって腰を悪くするケースもある。正しいスクワットの姿勢が崩れない重量を心がけ、痛みがないフォームを重視する。

筋トレを継続的に行うために身体のケアはしっかりする。スクワットの前に必ずジョギングなどでウォームアップをし、血流を高めたうえで終わればクールダウンを実施するのを習慣としよう。体のケアを怠って、肉離れなどの症状を起こすのは無意味だ。筋肉痛と疲労についての知識は、着実な成長を実現していくためには大切だ。

参考記事:筋トレ後の回復に必ず役立つ、筋肉痛の基礎知識と治し方・解消法
参考記事:疲れを簡単にとるための、絶対効果的で超シンプルな5つの回復方法

スクワットの種類とケガについて

上記で紹介したのが正しいスクワットのやり方となるが、他にもスクワットには種類がある。

これまで紹介してきたような、太ももを地面を水平な角度まで下げるやり方をハーフスクワットというが、この位置の手前で止めるやり方をクォータースクワットという。クォータースクワットは太ももの前面をより鍛えやすく、ストップやターンに難がある選手には好ましい反面、瞬発力を司る裏側を鍛えづらいので、短距離でのキレや爆発力が欲しいのなら、より深く腰を落とす必要がある。

逆に水平より深い位置に腰を落としていく方法をフルスクワットといい、完全に腰を落としきる方法をフルボトムスクワットという。これらのやり方は爆発力を効果的に高める反面、筋肉への刺激が大きいものになりやすく、ケガをしやすい傾向があるといわれる。このようにやり方によって効く場所に変化があるのだ。

ハーフスクワットを推奨するのは、筋肉をバランスよく鍛えられる点と、ケガがしにくい点でもっとも安定したやり方だからだ。最強の下半身トレーニングであるスクワットのもっとも危ない点は、やり方を間違えると簡単にケガをしてしまうところにある。もしも腰に痛みを感じるようならば、次の記事を参考にして欲しい。

参考記事:腰痛の原因はこの筋肉! すぐ簡単にできるストレッチとほぐすコツ

スクワットについては、限界まで追い込むオールアウトはオススメできない。肉体的にきついトレーニングなため、精神力が切れてしまいやすく、身体の挙動を制御できなくなる一瞬に傷害を負うリスクが高いだろうと思う。

ハーフスクワットは老若男女、あらゆる年代の人に打ち込む価値のある筋トレだ。歩く、走る、止まる、踏ん張るといったすべての動きを高めることができる。中学生くらいから本格的に取り組んで構わない。筋トレで身長が止まるというのは迷信であり、成長ホルモンの分泌が促進されて背が伸びることは証明されている。怪我に気をつけて、よいトレーニングをしてほしい。
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