足首の捻挫の治療方法、応急処置(RICE)と予防のテーピングも

足首の治療方法とテーピング

バスケットボール選手は足首の捻挫に見舞われやすい。ジャンプと着地を頻繁に繰り返すうえに、空中でバランスを取りながら行う動作はとっさにされるものばかりで、着地の仕方を誤ることもある。密集地帯でジャンプする機会も多く、他のプレーヤーの足に着地して足首をひねるリスクがある。

捻挫のケガはなかなか避けづらい。けれど予防法や応急処置のやり方を知れば、捻挫のリスクと競技生活へのダメージを最小限に抑えることはできるだろう。この記事では捻挫への対処法をまとめた。

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足首の捻挫治療と外傷への応急処置


捻挫の原因と症状、内出血について

捻挫とは靭帯(じんたい)の損傷のことだ。肉体のだいたいの形は骨格によって定められており、骨と腱によって結合している筋肉の伸縮によって骨格を動かし、私たちは意のままに行動することができる。

外部から骨と骨が離れ離れになりそうなほどの衝撃が加えられたときも、関節部分には靭帯という強力な接合力を持つ組織が存在している。私たちが筋肉を好き勝手に動かしても四肢がしっかりと結合しているのは、筋肉の強さの他にこの関節部分の靭帯の助力が大きいのだ。

ところがこの靭帯にも限界はあり、許容できる以上の負荷がかかってしまうと伸びてしまったり千切れてしまったりする。靭帯の組織が傷つくことを捻挫という。捻挫になれば痛みとともに紫色の内出血が起こり、力を込めたり負荷をかけたりすることが難しくなる。出血による腫れに加えて、痛みでうまく動かせない。

損傷にも度合いがあり、軽く靭帯が伸びてしまった程度のものもあれば、完全に裂けてしまう重症のものもある。重い症状であれば3ヶ月程度は運動を控え、リハビリにも多くの時間が必要だ。一般的には軽度の靭帯損傷を「捻挫した」、重度のものを「靭帯が切れた」「靭帯が伸びきった」などと表現する。ここでは軽度の靭帯損傷である捻挫について取り扱う。

首や腰など、足首以外の箇所にもこの症状は起こるが、やはり捻挫といえば足首が最も多い。そこで以下からは、足首の捻挫が起きてしまった際の応急処置の方法について説明しよう。

捻挫治療の第一歩、応急処置であるRICEを実行しよう

スポーツ中に筋肉系の外傷が起こった場合、RICE処置というもっともスタンダードな応急処置を施すことは常識になっている。RICEとはRest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(高挙)の4つの要素の頭文字をとったもので、これらのことに注意して処置をすることで、ケガによるダメージを最小限に抑えることができる。

安静とは患部に負荷をかけないことだ。もし捻挫をしてしまった場合は、無理に立ち上がったり歩いたりせずに、なるべく足を接地させない。仲間の手を借りるなどして体育館の隅などで休息しよう。

冷却とは文字通り冷やすことだ。アイスボックスなどの設備が整った施設ならば、大きなバケツに氷水を満たして足を突っ込もう。捻挫の場合、内出血による「腫れ」がもっともダメージを大きなものにしてしまう。冷却することで血管を収縮させて、出血の拡大を防ぐことが大切だ。充分な施設や氷がない場合に備えて、薬局などで下のような瞬間冷却材を買っておくと急場をしのぐことができる。2~30分ほど、凍傷にならないようにして、感覚がなくなるまで冷やす。



冷却時にはクライオキネティックスを意識できればベストだろう。これは患部をほんの少しだけ動かしながら冷却することにより、ダメージからの回復を早めようとするものだ。リンク先のページの解説にもあるが、痛みが起きないていどに動かすこと。

簡単なものでは、足首の捻挫などはバケツに氷水を入れて浸けるんですが、その時に軽く円を描くように関節を動かしてみると言うようなことです。

参考ページ:クライオキネティックスについて


圧迫も腫れに対抗するためのものだ。ケガをしたときに際限なく出血してしまうと、それだけ治りが遅くなる。捻挫直後には患部への圧迫を保つために、靴ひもを解くなという指導者もいるくらいだ。ただし圧迫のしすぎもかえって悪影響を及ぼす面があるので、普段からひもをギチギチに縛っているようなプレーヤーは、捻挫の際に素早く靴ひもを解いた方が無難だろう。

冷却と圧迫を同時に実現するための良い方法として、スポンジを患部に当てて圧迫しつつ、テーピングで巻く方法がある。このやり方だとバケツに足を突っ込んでいる時もスポンジが冷たい水を吸収して、圧迫と冷却を同時に実現することができるのだ。

高挙は患部を心臓の高さより上に挙げることだ。こうすることで血流が患部に流れ込みづらくなり、出血と腫れを抑えることができる。足を冷やすことができないような状況だとしても、椅子を使うなどして最低限この高挙は行おう。冷却と圧迫をしながらは難しいかもしれないが、身体を横に倒してなるべく患部と心臓の高低差がなくなるように努力しよう。

基本的には安静を心がけ、圧迫しつつ冷却し、足の感覚がなくなってきたら冷やすのをやめて高挙、感覚が戻ってきたら再び圧迫しつつ冷却して、という繰り返しが初期治療になる。氷水から足を取り出してしばらくしても、大きな痛みを感じず患部が大きな熱を放っていないことを確認できるまで続けよう。

治療する方法と腫れ、完治までの期間

RICE処置をケガの直後に素早く行えたのなら、初期治療として悪くない状態だ。この段階で腫れた部分に第一関節の半分以上がめり込むほどなら、出血の程度からして靭帯の損傷ではなく断裂を疑ったほうがいい。かかとや足の甲にも大きな腫れが見られるはずだ。だがそうではないなら、捻挫を具体的に治療するステップへ入っていこう。

損傷によって出血が続いているときをケガの急性期といい、このときはすでに述べたRICE処置が有効になる。だが2~3日経って急性期が終わったのならば、痛みが比較的少ない慢性期の治療が必要になる。

まず、捻挫による腫れを取り除くためには血流を良くすることが大切だ。急性期で傷を治すために集まった血液たちを、いかにして取り除くかが慢性期での治療のカギになる。そのためには患部を温めると同時に、血管を拡張して全身の血流を活性化させることができる入浴がオススメだ。

特に温冷浴は冷水による血管の収縮と、温水による欠陥の膨張を繰り返すために、単純な入浴よりも効果が高い。急性期には決してやってはいけないけれど、慢性期においては銭湯や温泉などで、水風呂と浴槽に交互に入ることが力強い回復効果をもたらす。

挙上が有効なのは慢性期でも変わらない。心臓よりも高い位置に捻挫した箇所を置いて、血液が下へ下へと流れていくように意識しよう。足を上にした状態で上半身の筋肉トレーニングをしたり、お酒を飲むことで身体を温め、血流を良くして治りを早くすることができたというケースもある(ただし急性期ではお風呂も筋トレもアルコールもよくない。シャワーだけに留める)。

安静を心がけるという点では、病院で松葉杖を借りて使用することも視野に入れよう。一本でも借りておけば、完治までの期間は早まる。通勤、通学などの移動時にかかる負担は馬鹿にできないものがあるため、ちょっと大袈裟だと思っても恥ずかしがらずに借りた方がいい。

湿布は治療においてさほど効果的とはいえない。というのも湿布の主な効果は鎮痛だからだ。冷湿布にはアイシングほどの冷やす効果はなく、温湿布と併用して冷温療法を実行できるほどの力はないのだ。ただ怪我をして間もない時は足首がかなり痛いはずなので、湿布は痛みを鎮めるために用いることは、捻挫の肉体的、精神的なダメージを抑える上で有効だろう。

やはり通常のケガと同じように、睡眠と食事で身体の回復機能自体を高い状態に保つことが大切になる。身体の内部の調子が整っていると、エネルギーのすべてを治癒に注ぐことができるのだ。怪我をしたときこそ焦らず、身体全体を大切にすること。

参考記事:すぐに寝れる、疲れもとれる、ぐっすり気持ちいい眠りのポイント2つ
参考記事:簡単でわかりやすい、スポーツ選手にも役立つ栄養と食べ物ガイド

これらのことに気をつけてケアしていけば、復帰までの目安は長くても2週間ほど、完治までは長くても1ヶ月ほどになるだろう。逆にこれ以上かかってしまうようなら、捻挫というよりも断裂を疑ってしっかりと整形外科のある病院にかかって処置を受けた方がいい。

足首の簡単なテーピングの巻き方

慢性期では足首をなるべく保護し、歩く時にも負担をできるだけ軽くしてあげよう。また不意に力を入れてしまったり、ひねってしまうことを防ぐためにも、テーピングをしっかりと行うことが大事になる。予防の上でも治療の上でも、テーピングは有効な技術なのだ。

日常生活では以下の動画で説明しているようなテーピングがいいだろう。ガチガチに固めなくても、少ない本数で簡単に足首を保護することができる。上から靴下を履いても問題なく靴を履けるから、穏やかな日常生活を送るのに不都合はないはずだ。テープの種類としてはキネシオがいいだろう。



競技に復帰したてでまだ足首に不安が残るのなら、こちらの動画のようにしっかりとテーピングして固定することが大事になる。この巻き方は捻挫のケアと予防を兼ねられる。



基本的にテーピングやサポーターは筋肉の可動域や負荷の程度を制限してしまうため、普段の練習ではなるべくしないことが望ましい。けれど足首の治療期間を短くし、怪我を予防する観点から言えばしてもいい。仲間が怪我をするときもあるだろう。

ここにあげたテーピングは基本的に内反捻挫や逆位足関節捻挫と呼ばれる、足首を内側にひねってしまった時の捻挫の場合の方法だ。逆に外側にひねってしまった外反捻挫の場合、内くるぶし周辺が患部となり、内出血が見られることになる。この場合は自分でテーピングをどうこうするよりも、すぐに病院にかかって検査を受けること。外反捻挫はめったに起こらない分、症状が重くなってしまいがちだ。

捻挫のリハビリと開始する時期

最後に衰えた筋肉を再び鍛え、捻挫を予防するためのエクササイズを紹介しよう。急性期のときにはやるべきではないが、慢性期に入って痛みがひいてきたころから始めてみるといい。

まずはタオルギャザーという方法だ。床に置いたタオルのうえに足を置き、足の指の力だけでタオルをうまくまとめていくものだ。稼動せずに衰えていたふくらはぎの内在筋に働きかけることができる。

カーフレイズの他にふくらはぎにアプローチする方法としては、タオルギャザーが挙げられる。これは足の下に敷いたタオルを足の指で握るエクササイズだ。捻挫や靭帯損傷でまだスムーズに歩けない選手のリハビリにも使われる。足の指との連動性を鍛えることで、地面を掴むような微妙な感覚を強化できる。

参考記事:ふくらはぎの筋肉を抜群に鍛える、カーフレイズの筋トレ方法と効果


また下の画像のように、壁や台などの重いものの横に立ち、足首の働きだけで押すエクササイズもオススメだ。足首の外側の筋肉を鍛えることができ、内側にひねりづらい下肢を手に入れて捻挫を防止することができる。

捻挫のリハビリ方法

最後のエクササイズは単純に階段などの段差につま先で立ち、かかとを下げていくというものだ。捻挫が治る過程で血がたまっていた箇所の固さは取れていくと思うが、さらに柔らかさを得たいのならこの方法が役に立つ。痛みを感じるくらいにやってはいけないが、足首の柔軟性があがって可動域が広がることは、単に怪我しにくいだけではなく、筋繊維を強くすることにも繋がる。

ここでは簡単に捻挫の対策についてまとめた。繰り返すがもしも重症な時は自分だけで治そうとせずに、整形外科や整骨院などにかかること。急場に備えてこれらの知識をしっかり身につけ、自分と仲間を危機から救ってあげてほしい。
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