叱り方で失敗しないためには、自分の内心の冷静さを確保しよう

叱り方のコツ、ルール

あなたがリーダーなら人を叱る機会はそこら中にあふれているかもしれない。あなたは立場によって子供を、部下を、後輩を、ときには仲間のことも叱らなければならないと感じるだろう。しかしそこでうまく叱れているかというと、多くの人はそうでもない。過剰に叱ってしまって関係を壊してしまったり、うまく叱る言葉を見つけ出せずに、叱るべきときに叱れなかったりする。

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叱り方で間違えない方法とコツ


叱る目的は何なのか

人に何かを働きかけるときは目的がある。それでダメなら反省がある。目的を果たすために、どんな働きかけをすべきなのかという狙いがあって自分の行動態度が決まる。相手がどんな反応を示すのか想定せず、反応を見もせずに働きかけても、ダメだったときに反省することが出来ない。「自分がイライラしたから叱る」というパターンが身についていると、目的も自身の反省もなく、ただ感情的になってしまう経験ばかりが訪れる。そうして自己嫌悪になるかもしれないし、ただ相手から嫌われて終わるかもしれない。

相手に働きかけるときには「相手がこういう心理でこういう状態で、私のことをこう見えているから、こういう働きかけが有効だ」というように、相手の心理と状態を支えている構造を把握することが大切だ。この把握がないと働きかけは的外れなものになりやすい。「相手にとって自分が飛び込みの営業マンだ」とわかっているから、自分の態度や服装を決定し、相手の反応を見ながら有効な働きかけをすることが出来る。反省もできる。この相手にとって自分はどういう存在だろうか、という想定抜きに有効な働きかけを学習して行くのは難しい。

働きかける目的があり、相手の見方を想定し、反省していくことで、相手に対して適切な働きかけが出来るようになる。これを阻むのは怒りやイライラだ。有効に叱る、叱らないの判断の前に、自分を制御できなくなる。

イライラして怒ると働きかけの難易度が上がる

執着している人はイライラしやすい。例えば人を変えようとする人、自分の思う方向へ導きたい人はイライラしやすい。自分の理想や「この人がこうあってくれたらいいのに」という欲望に取りつかれてしまうと、他人の欠点に目がいってしまい、トゲトゲした態度をとったり、無思慮な助言や指摘をしてしまいやすくなる。これでは適切な働きかけが難しくなるだけでなく、「あなたの在りようはおかしい」というメッセージを送ることになるだろう。また、人の欠点に注目してイライラしてしまう心のクセは、自分自身の人生を壊してしまいかねない。

成功欲に取りつかれたリーダーは、他人を自分の望む方向へ動かそうと躍起になりがちだ。プレッシャーをかけられた管理職も。集団の長が「成功しなくては」という欲や不安に飲まれると、本人が惨めな状態になったり、周囲が大変な思いをしたりする。「人を叱ってでも成功したい」状態は最低だ。人を責めたり脅したり文句を言って動かしてもその場しのぎだ。いずれもっと大きな問題に対面するだろう。リーダーは自分のイライラや不安感がどこからきているのかを知れるといい。感情を乱しているのは他人ではなく、自分の中にある想いなのだ。

人を救いたがってはいけない。「あなたは惜しい、もっとこうすればいいのに」というおせっかいは危険をはらむ。言っている当人は自分の中の「他人をどうにかしたい欲望」に気づいていなかったりするし、暗に相手の生き様を否定していることにも意識を向けていなかったりする。それは愛情ではなく他人を管理したい欲求、自己愛かもしれない。注意深く自分を顧みれば「あなたは惜しい」という心情の中に、イライラしたものが混じっているのを確認できるかもしれない。無理にやる気や元気を与えようとしなくてもいい。相手のやりたいことが上手くいけば、やる気も元気も出てくるものだ。

身近な人にはついつい自分が信じている価値観や教えを押し付けたくなる心理がある。それは危ないことでもある。その価値観や教えを鵜呑みにしたことで、その人に何が起こるのかを完全に見通すことなどできない。「人と仲良く」は美しい言葉かもしれないが、いついかなる時でも他人と仲良くしようとすることで、当人が大きな感情的危機に見舞われることもあるだろう。叱りながら価値観を押し付ける光景を見たことがある。相手の長い人生でこの先に起こることも見越しているかどうかは大切なことだ。怒りからくる価値観の押しつけは最悪だ。

価値観や論理を自分の拠り所にしていると、考え方の違いが我慢できなくなってくる。「組織あっての個人」という論理に拠って生きている人は、組織の利益に反する他人の行動や考え方にイライラしやすい。「組織があっての個人なのだから、一人一人はこうするべき」という空想に取りつかれてしまうと、他人を叱りつけたり指摘をする機会が増える。相手がアメリカ人ならそんなことはしない。個人個人の生き方が違うのは当たり前のことであり、考え方もそれぞれだ。相手の信条や思想は、こちらがどうこう言う問題ではない。

イライラしても仕方がない。他人と接していい思いだけはできない。避けようがないある種の不都合ももたらされるものだ。他人と接するのを完全に避けては、大きな喜びもない。だからできるだけクリアに、「この関係のコミュニケーションにはこういった利益があってこういった不都合がある」という醒めた論理的思考に立って、じゃあこれからどうしていくかという決断をしていくのが大切だ。もう一度、自分が「叱る」という解決策を用いていることが、自分の人生の目的にとって本当に有効なのかを振りかえろう。

叱るのではなく態度を貫くこと

相手をうまく動かそうとして叱らなくていい。動かそうとしても上手くはいかない。あなたがリーダーなら、徹底的に相手に事実を告げることが大切だ。「そんな練習態度じゃ上手くなれないぞ、しっかりしろ!」と発破をかけるように叱らなくていい。「今のままではスタメンに起用できない」と告げることだ。相手の在りようには触れず、相手に求めていることをはっきりとさせ、その求めについての事実を告げるだけだ。

それについて相手がどうするか、最終的な判断は相手に任せる。好きにさせてあげることだ。相手が下す相手自身の人生の決断を尊重する。いちいち叱ってコントロールしようとしない。あなたにできるのは、「こうしよう」という方向性を穏やかに示すことと、相手の行動に的確なフィードバックを送ってあげることだ。失敗を叱らなくてもいい。相手が失敗したと心から思えれば失敗は改まるし、失敗したと思っていないならいつか痛い目を見て失敗したと知るだろう。それが学びというものだ。無理に叱りつけて、お前は失敗しているとわからせなくていい。そんな時は「わからせる必要がある」と思う内心の苛立ちに目を向けよう。

相手の上に立って、価値観や教えを押し付けなくていい。叱るというよりも「あなたのその行為が私には気に食わない・私は心配だ」とオープンに、人間的に告白することだ。あなたではなく、行為が気に食わないということ。あなたが気に食わないという言い方をしてしまったら、それは戦争になる。思ったことを言ってもいいのだ。明確に契約の意志を示してなどいないのだから、究極的に、相手がこちらの言うことを聞かなければならない理由など何一つないとわきまえておくこと。上司と部下だろうが、親子だろうが、「言うことをきかせる」ような関係にハマると困難な状態になりやすいと覚えておくこと。
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