センターの面取りのコツを押さえて、インサイドに強い起点を作る方法

インサイドのもらい方、ポストアップ

インサイドの選手が面を取る、ポストアップについて考えるときは、ポジション取りはパワーで行うものという先入観を捨てよう。「面取りを頑張る=力任せに動く」という形で実行する選手は多いけれど、面を取るのがうまい選手は身体の接触など最小限に済ませて、とても上手にペイントエリア周辺でボールを受ける。これはポストアップには確かな技術があり、練習と経験によって効率的で効果的なもらい方ができるということだ。この記事ではどうすれば面取りの技術を高めることができるのか、パスがインサイドへ入る仕組みとコツを書いておく。

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面取り、ポストアップのコツ


立ち止まる・手を使ってしまう

自分がもらいたいポジションに長くとどまってもボールはもらいにくい。自分のディフェンスにパスコースを読まれて防がれてしまう。相手を手で押さえつけてしまうのもよくないことだ。肘から先を伸ばして相手が前を出ようとする動きを邪魔するとファウルをとられてしまう。肘までを肩と同じ高さまで上げることはファウルにはならないので、肘を張った状態から前腕は垂直に上げて90度の角度を作ってしまおう。上腕二頭筋をアピールするようなポーズに近い、これはファウルをとられづらい。

手を使って相手を抑え込むという発想を離れてみる。人間の体を左右対称に分ける中心線を抑えることで、相手が自分の前方へ回り込んでくるのを防ぐことができる。

ドアのへりや細い柱などに、自分の身体の中心線を押し当ててみてほしい。そこから身体を少しだけ左にずらして、右胸にへりや柱を押し当てる。するとその状態から右前へ出ようとすると非常に窮屈で、一度体に密着したへりや柱から後退して離れる必要を感じるはずだ。

反対に、左胸にへりや柱をくっつけると、今度はスムーズに右前方へ回り込むことができるはずだ。このように中心線を抑えることで、ディフェンスが前に出てパスコースを潰そうとする動きを邪魔することができる。

中心軸を抑える重要性
(クリックして拡大します)

インサイドでは相手をパワーで押すというよりも、いかに相手の中心線となる胸や腹、腰の真ん中に身体を入れてしまうかということが大事になる。上げた肘をうまく中心線へ差し入れたり(肘で突いたり叩いてはいけない)、相手の下腹部の真ん中をこちらの臀部でうまく押さえつけるようにすれば、パスを受けることができる。

ボールが回る角度を理解しよう

面を取るときにはパッサーとの位置関係を把握する感覚が重要だ。下の引用を見てみよう。

ボールをもらえる側ともらえない側

青がオフェンスで赤がディフェンスだとする。①がボールを持っているとき、パスコースには赤が入ってくるため、青はボールをもらうことができない。逆に②がボールを持っている時は、赤のディナイは距離的に間に合わず、青にボールが入ることになる。

これを言葉で説明すると、「赤と青を結んだ直線を二等分する垂線を境に、ボールマンの位置によってボールをもらえるかもらえないかが決まる」ということになる。(中略)では、これを踏まえて次の図を見てみよう。(クリックで拡大します)

④には入るが⑤には入らない

②にボールが渡れば④はボールをもらうことができるが、③にボールが渡っても⑤はもらうことができない。④も⑤もミドルポストに位置している点では変わらないが、②の方が若干③より下気味でボールをもらうことができたのが大きい。

インサイドがボールを貰える仕組みは基本的にはこの図で理解できる。ボールをもらうにはスクリーンと見せかけて面をとったり、ディフェンスの視線を切ってから前に飛び出したり、面をとると見せかけて裏をとったりといった駆け引きも必要だが、この仕組みを理解して、ボールが渡る位置を予想することも大切だ。

参考記事:バスケのインサイドの役割、センターとパワーフォーワードの違いとは
インサイドでボールをもらうためには、どうすればこの関係性を作り出せるかを考えよう。

カット・裏をとる・視野から消える

ディフェンスも上記のような関係性を理解し、ボールが位置を変えるたびに自分のポジションを変えてパスコースを潰そうとしてくる。ディフェンスが適切にポジションを移動させれば、その場で立ち止まっていてもなかなか中心線を抑える動きは難しい。そこでできるだけ有利にパスを受けられるように、パッサーとディフェンスの間に入る工夫をしなければならない。

それが「パスの予測」と「カット」という二つの要素になる。下の図を見てみよう。(クリックで拡大します)

立ったままではパスはもらえない

このように、パスが回ってから動こうとしてもディフェンスに阻まれてしまう。これはディフェンス側もウィングにパスが入ることをすでに予想しており、①からパスが出た瞬間に前に回りこむように反応しているからだ。この状況でも少し外側に出ればボールをもらうことはできるが、本来はインサイドでボールをもらいたい。

カットをいれると前を取りやすくなる
しかし、上記のように①がパスを出す直前に上へのカットをいれているとどうだろうか。ディフェンスはパスが出た瞬間に「上」方向へ移動しているため、オフェンスの前に回りこむ動きをとるのが遅れてしまう。この遅れのスキにディフェンスの中心線を抑えるように動くことで、ボールを受けることが出来る。

考えてほしいのは①がボールを持っている段階では、オフェンスのこの上への動きは無駄だということだ。これでは①からボールをもらうことができない。多くの選手がこの状態で、このような無駄なカットをいれずにローポストで待っている。しかし②へパスが渡ることをイメージしてオフェンスが動けば、次の瞬間には面を取る絶好のチャンスになっている。このように、カットでマークマンを動かす仕組みを理解すると、面を取るのが楽しくなってくる。

この技術を応用すると裏をとる動きができる。下の図のように、表でボールをもらうと見せて、実はハイポストにボールが渡るのを待ち、パスが飛んだ瞬間にターンで裏をとってしまう。この動きの感覚はハイローなどでも使う。

裏をとる動き
相手の視界から消えるのも有効な方法だ。下の図ではローポストでディフェンスに密着されているため、ボールをもらうことができない。そこで赤線で示したディフェンスの視野(ビジョン)の外に飛び出してみよう。

視野を切る動き
視野を切られたディフェンスは多くの場合バックステップを切ろうとする。ディフェンスが後ろに動くのと同じタイミングで、今度は視野の外から中に飛び込んでみよう。ディフェンスは後ろへ体重を移動させていることもあって、これに対応するのは難しい。しっかりと前を取れるはずだ。

視野を切る動き



これらの動きは理屈で理解していても、いざ実践になると難しい。面を取るにはディフェンスとの距離感やタイミングを身体の感覚で察知する必要がある。ただこの記事でまとめたような、パスにあわせて表と裏で駆け引きをし、相手の中心線を押さえることを意識することで、上達は早くなる。

でかいからボールを受けられるのではない。この記事をよく理解すれば、スモールセンターでも充分にボールをもらえる。インサイドに起点を作れるかどうかは、勝敗を大きく左右する大切な要素だ。あなたがパワー任せの選手ではなく、クレバーでやっかいなポストプレイヤーになることが、チームの勝利を引き寄せてくれるだろう。
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