筋力と持久力をつけるための、バスケット選手の筋トレ方法マニュアル

バスケの筋力、瞬発力と筋持久力のトレーニング方法

あなたの筋トレのやり方はどうだろうか、効果的な筋肉の鍛え方ができている実感があるだろうか。自信がなかったり、よりよい正しい方法をいつも探しているのなら、この記事になにかヒントを見つけ出すかもしれない。ここではバスケットボールに必要な筋力と持久力を、どう効率的に得ていくかについてまとめる。

筋肉トレーニングについては諸説あり、自分が何を成し遂げたいかという目的によって答えは変わる。最新の知見は常に変化し、選手ならトレーニングへの様々な見解を見聞きするだろう。ある考え方が自分に合うものか、試していく中で自分の感覚の変化を確かめながら取り組むのがよい筋トレ方法だ。ここでのまとめも、そういった態度で読んでいってほしい。

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バスケ選手の筋肉の鍛え方


筋肉トレーニングはフィジカル面での全ての問題を解決してくれはしない。たとえばスタミナを増やすには持久力を担当する遅筋を刺激するだけでは足りない。睡眠や食事、心肺機能などを含めた全体的な身体能力のコンディションを整える。また身体的なパフォーマンスアップには、筋力だけではなく神経系にアプローチする動きづくりが不可欠だと言われる。筋トレは身体的な問題についての万能な解決策ではない。けれど筋トレによって競技力が効果的に向上することもまた確かだ。

バスケットボール選手は、プロレスラーのようなゴツい肉体を目指さなくていい。世界最高の選手は、世界一太い筋肉を持つ選手ではない。バスケットに必要なのは強く長持ちする筋肉で、最高に太い筋肉ではない。筋肥大に大きな重点を置く、ボディビルダーのようなトレーニングをしなくていい。

またバスケはウェイトリフティングのように、何秒かの間に最高の力を出すような競技ではない。一度200kgを持ち上げて終わってしまうような筋肉よりも、20回以上100kgを持ち上げられる筋肉のほうがいい。
もっとも最大筋力をあげることで、より低負荷の運動回数も増加はするだろう。しかし最大筋力にこだわってトレーニングする必要はない。強く機能的に動き、長持ちする筋肉を目指してトレーニングするといい。

あなたのポジションや望むスタイル次第で、重点的に鍛えるといい部分も違ってくるだろう。シューターには手首が大事で、インサイドの選手は接触に備えて肩周りを強くする、といった具合にだ。たいていの場合、あなたが筋トレに費やせる場所や時間やエネルギーは限られている。どこをどんな風に優先的に鍛えるかを、あなたが目標にそって適切に決断できれば、努力の効果を実感しやすくなる。

この記事はあなたの理想のトレーニングメニューを教えるものではなく、トレーニングのやり方自体を提案するものだ。あなたのメニューはあなた自身で決めていかなければならない。大事なのは、あなたがなりたい自分の姿をイメージすることが、筋トレの第一歩だということだ。

参考記事:バスケ筋トレの定番、家でも実践できる7つのトレーニングメニュー

年齢がいくつだろうと筋トレは有効

たとえ100歳を過ぎていようと、正しいトレーニングによって筋肉は成長することがわかっている。高齢者と若年者が同負荷でトレーニングした時の効果は、天と地ほどの差があるわけではない。

ベテラン選手は加齢によって疲れが大きくなるが、しっかりとトレーニングをすればよりよくなれる。25歳で最高の努力をしていた人が、40歳になってパフォーマンスを全盛期並に戻すことはたしかに難しい。しかし、若いときにしっかりとトレーニングをしていなかったと感じるのなら、30歳を超えてから正しいトレーニングをすることで、競技人生のピークを作り出していくことは可能だろう。

加齢によって筋肉の中で瞬発力を担当する速筋が少なくなっていくといわれ、これによって素早い動きが徐々に出来なくなっていく。しかしバスケットボールは一瞬の爆発力が求められる100m走などとは違う。持久力を担当する遅筋はそれほど衰えないので、速さや高さに頼った能力任せのプレイをしていなければ、歳を経ても活躍することは十分に可能だ。

筋トレは身長を止めてしまうため、身体が成長しきらないうちはやってはいけないという俗説がある。しかしこれは正しくないようだ。筋肉トレーニングは成長の邪魔をしないし、むしろ成長ホルモンを多く分泌することで身長の伸びを助けてくれる点で、練習に取り入れるべきだとされる。

ただし、中学生までは腕立て伏せや腹筋など、自重を使ったトレーニングに限定しておこう。トレーニング歴が浅いうちは、正しいやり方や、負荷に対する身体の扱いを覚えるほうが先決だ。ウェイトを使ってしまうと、関節や骨を痛めてしまうリスクを避けきれない。筋肉は疲れてくると単調な動きしかできなくなり、疲労を把握していないと、とっさの柔らかい動きやブレーキを効かせられない。特に成長期には、重すぎる負荷は避けたいものだ。

筋力と持久力、瞬発力のための筋トレマニュアル


ここからはトレーニング前、実際のトレーニング、トレーニング後と分けて、具体的な筋トレの手順を示していく。いずれも大事なことばかりなので、よく確認して欲しい。

トレーニング前の準備

トレーニング前は必ずウォームアップすること。動的なストレッチもいい。身体が冷えていると怪我をしやすい。軽いジョギングや縄跳び、エアロバイクなどで体を温める。過度な静的ストレッチは、筋肉のパフォーマンスを落とすのでよくないといわれる。

ウォームアップとストレッチをしない、できないのなら、トレーニング自体をしないこと。油断は必ず大きな事故となって返ってくる。覚えておいて欲しい。

具体的な筋肉トレーニングの周期

上半身を1日で、下半身を違う1日で、というように、鍛えたい部位を2つに分けて違う日に鍛えるといい。そして一度やった部位には、再び鍛えるまでに最低48時間の休養をとらせる。

たとえば上半身の7つのメニューを1日やったら、次の日は下半身の8つの部位を鍛え、その次の日は完全に休養する。次の日には48時間あくので、上半身の7つのメニューを行い、まだ48時間を経過していない下半身の8つのメニューはやらない、ということになる。

1日ごとに並べると
「上・下・休・上・休・下・休・上・下」

というローテーションになる。
「上・下・上」 もしくは 「上・上・休・下・下」
のように休みが48時間以上ない周期でのトレーニングは原則的にやめておこう。
この理屈では1つの部位につき一週間に2回、最大でも3回しかトレーニングを課さないことになるが、それで構わない。1回ごとのトレーニング方法が正しく効果的なものであれば、筋肉トレーニングは毎日のようにやる必要はない。

筋肉が一度トレーニングによって疲弊すると、回復するときに以前より少しだけ強くなろうとする。これを超回復という。筋トレによる成長には、この超回復を上手く利用することになる。

この回復はトレーニングによる疲弊時から48~72時間の間に起きるとされる。この期間に再びトレーニングをしても、弱った筋肉をさらに弱めてしまう。だから最低でも2日は回復期が必要だし、身体の調子に合わせて3日以上とってもいい。

よく筋肉痛のあるうちは回復期、なければトレーニング期という周期で理解がされるけれど、これは正しくないようだ。多少の筋肉痛でもトレーニングをした方がいい場合もあるし、筋肉痛がなくても前日にその部位をトレーニングしたのなら休んだほうがいい。

また、筋肉痛が起こるトレーニング=正しいトレーニングではない。筋肉痛が起こるかどうかは運動の質による。筋肉痛を絶対の基準に自分のトレーニング予定を決めなくていい。

どの筋肉から取りかかればいいか

トレーニングを開始したら、原則的に大きな筋肉から鍛えていくといいと一般にいわれる。体の中心にある筋肉ほど大きいと考えよう。胸、腹、背中、腰、太ももなどが大きい筋肉で、前腕やふくらはぎなどは比較的小さな筋肉だといえる。

大きな筋肉を鍛えようとすると、補助的に小さな筋肉を使うことになる。腕立て伏せでもベンチプレスでも、胸を鍛えようとすれば手首の筋肉の補助が要る。先に手首を鍛えてしまうと、重い負荷を胸にかけることができなくなる。だからまずは大きな筋肉からトレーニングしていく。

筋トレを10回3セット、もしくはスピーディーに


筋トレにはコンセントリック、アイソメトリック、エキセントリックという種類がある。ダンベルを持ち上げるアームカールでいうと、ダンベルを持ち上げる働きをコンセントリック、持ち上げたダンベルの負荷に耐えて停止させている働きをアイソメトリック、ダンベルを自由落下によらずコントロールして下げるときの働きをエキセントリックという。そしてこのエキセントリックに、爆発力を生む速筋を強烈に鍛える効果があると言われる。

負荷が軽すぎるとエキセントリックにならない。筋トレ時は、あまりに軽すぎる負荷を選ばないこと。ぎりぎり10回程度できる重量が良いと言われるが、もっと軽くてもかまわないだろう。

鍛えたい筋肉が伸びていくときに、ゆっくりと負荷に耐えるように行う。ベンチプレスだと、降ろす時にゆっくりと行う形になる。正確なフォームで10回を3セット行い、出来たら負荷を少しだけ重くする最大反復法が最もメジャーなやり方だ。

セット間の長さは1~2分と言われる。フォームや集中力を保つために必要なインターバルの長さには個人差がある。自分の体力や体調と相談するといいだろう。

自分の理想の肉体を思い浮かべてやること。想像しながらトレーニングをすると、実際に効果が上がるといわれているので、バカにせずやってみよう。

これとは別に、回数よりも特定の秒数内でなるべく多く、スピーディーに行った方が良いという考え方がある。ゆっくりと何度も行うよりも、なるべく速く反復することで実際に競技で使う「素早く大きな力が出る」ように神経を鍛えることができ、結果的に筋肉の最大筋力にも好影響を与えるとのことだ。

反復するうちに辛くなって可動域が少しずつ狭くなってくるが、無理をして大きく使おうとすると負荷を筋肉で支えきれず、腱や骨を痛めてしまいかねない。可動域が狭まってくるのは四肢が曲げ伸ばしされる過程で、動員できる筋肉量が変化するため当然のことなので、最後の方は小さい動きになって構わないと考える。素早く行うことに集中しよう。ただしフォームは意識すること。筋肉を使えたと確信できるセット数で終わる。

呼吸は自然に任せる。負荷がかかっていれば、身体が自分の一番しっくりする形で呼吸をするはずだ。息を吐くと身体の中心が安定するため、呼吸を技術的なものとして習得しようという考え方もあるが、フォームに集中することの方が大切だと考えよう。身体の反応に任せること。ただし呼吸を止めてはいけない。身体に大きな負担がかかってしまう。

上げるときと下げるとき、伸ばすときと縮めるときの切替時には、肘や足を伸ばしきったりして筋肉から緊張を解くことができるが、これをしないように。筋肉はあくまで緊張の中でコントロールされ続けた方がよく、下手に力を抜いてしまうと怪我をしかねない。

トレーニングはあなたがどこの誰であろうと、必ず自重を使った負荷から始めて欲しい。よいフォームを確立するところから始める。腕立て、腹筋、スクワットなど、自重でできるものは多い。ウェイトに取り組むのも、初めは低い負荷から徐々に上げていく。怪我はやる気も経験も感覚も削ぐ。焦りは禁物だ。

1日のメニューが7,8個くらいなら、1時間程度でトレーニングを終えることができるので、忙しい人にも可能だし、近くに施設がなかったりしてトレーニングできる環境にあまり恵まれていない人でも効果的に実行できる。

負荷が軽かろうとも、疲労困憊や寝不足の状態でやってはいけない。回復期間は十分にとること。筋肉の疲れ具合が経験的に把握できる人以外は、慎重に筋トレの周期を決めよう。怪我防止の面からも無理はせず、間隔を2日あけるのだけは守ってほしい。

3ヶ月ほどで、わずかでいいのでメニューのバリエーションを変えることを検討しよう。少しの変更でも、筋肉に対する刺激が変わることで、パフォーマンスはポジティブに変化するだろう。モチベーション的にも、少しずつやり方を変化させるとやる気が湧く。

モチベーションの維持で言えば、記録をとることも大きな効果がある。自分の努力してきた足あとを把握することは大きな満足感をもたらすし、その日のトレーニングも頑張ろうという気持ちにさせてくれるものだ。

教材:ボディビルダー外科医が医学的見地から教える「効かせる」筋トレ

運動後の処置で身体をケアする

しっかりと身体に負荷をかけたのなら、その後にどのような処置を身体に施すかで疲労感も身体のリカバリーも違ってくる。

まず急に運動を止めない。疲れていても倒れこんだり座り込んだりすると、血流がよくなくなり、疲労物質が特定の部位に溜まって乳酸濃度も上がってしまうといわれる。各部位が酸素を欲しがっているのに、血流を押し出すための役割が心臓だけの負担になってしまうこともよくない。身体をクールダウンさせるために、軽いジョギングやウォーキングがいい。

疲労を早くとるという点では、もしできるならアイシングも効果的だ。血管を一時的に狭くすることで、終えた後に血管が一気に拡張し、血流がとてもスムーズになる。

風呂と水風呂を往復したり、サウナを使用することでも、血行を促進して疲労を回復させる効果が期待できる。サウナを使うのであれば、無理に水風呂に入らずとも、露天風呂の外気に触れたりするだけでも効果はある。

参考記事:疲れを簡単にとるための、絶対効果的で超シンプルな5つの回復方法
強くて長持ちする筋肉でチームのために活躍しよう
・トレーニング前は必ずウォームアップをして、動的なストレッチを行う
・休みが48時間以上ない周期でのトレーニングはやめる
・原則的に大きな筋肉から鍛えていく
・フォームに気を付ける
・肘や足を伸ばしきったりして筋肉から緊張を解かない
・自重を使った負荷から始める
・クールダウンをしっかり
はじめに言ったとおり、筋トレのやり方次第であなたの競技力は劇的に向上する可能性がある。正しいやり方で、集中して行えるかどうかが大事だ。筋トレ後の筋肉痛については下の記事も参考にしよう。

参考記事:筋トレ後の回復に必ず役立つ、筋肉痛の基礎知識と治し方・解消法
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