バスケのインサイドの役割、センターとパワーフォーワードの違いとは

インサイド、センターの動き方と役割

バスケットボールの試合では、インサイドプレーヤーであるセンターとパワーフォワードの質は、試合の勝敗を大きく左右する。もっとも重要なリバウンド争いはもとより、アウトサイドの状況に合わせて的確にプレイできるインサイドがいれば、オフェンスの質を大きく変化するからだ。

この記事ではセンターとパワーフォワードについての役割や動き方、練習方法をまとめる。インサイドプレーヤーに共通する役割を担う両者、そのプレイスタイルは微妙に違う。それぞれに求められるものをしっかり説明することで、バスケットボールについての理解を深めることができる。

肉体的な強みが条件だと思われているインサイドが、判断力と知性を必要になるポジションであると知ることは、アウトサイドプレーヤーにとっても大きな利益になるだろう。

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センターとパワーフォワード、インサイドポジション


インサイドプレーヤーの主な役割

リバウンド獲得数が相手より上回ったチームが試合に負ける確率は3割程度だといわれる。リバウンドが強いチームはそれだけで、7割がた勝利を手に入れる。自チームのインサイドプレーヤーがどれだけリバウンドに対して力を注いでいるかは、チームの勝敗の重要なファクターだ。

インサイドプレーヤーはオフェンスリバウンドをとれる力がなかったとしても、ディフェンスリバウンドだけは絶対に確保したい。インサイドの選手がオフェンスリバウンドを奪われるということは、「ゴールの近くで」+「ディフェンスの準備が整っていない状態で」敵にボールを保持されるということだ。とられればそのまま2点をとられる可能性が高い。失点を防げたとしても、攻撃権が再び相手にわたるダメージは非常に大きい。あなたがもしインサイドプレーヤーなら、ディフェンスリバウンドを頑張ろう。

逆の立場からいうと、オフェンスリバウンドを頑張る事で、インサイドプレーヤーはチームに大きな貢献をすることができる。オフェンスリバウンドが取れれば、シュート回数が増えて、シューターも気持ちよく打てて、チームの士気もあがると覚えておこう。

速攻やセカンダリーブレイクのシチュエーションでも、インサイドプレーヤ-が果たす役割は大きい。リバウンド後の素早いアウトレットパスは速攻の成否にかかわる。相手センターに先んじてゴール下へ走り、背の低いだろう相手のセーフティに対してポストアップできれば、シンプルな加点が見込めるし、相手ディフェンスに難しい対応を迫れる。

ハーフコートオフェンスに入ってからは、インサイドの主な役割はペイントエリア近辺でのボール保持からの展開・アタックとなる。バスケットボールでは、ペイントエリア近辺にボールを納めることはとても大切なことだ。ディフェンスを収縮させ、上下左右にディフェンスを揺さぶりつつ、意図したオフェンスを実行できる。ボールマンにオフェンス力があればなおのこといい。

インサイドの選手がペイントエリア近辺を出てアウトサイドで展開することで、相手の背の高いヘルプディフェンスをゴール下から誘い出せる。シンプルにフリーの3Pシュートが入るだけでも、マークマンは放っておけなくなる。アウトサイドでのプレイにも慣れておくといいことがある。

ピックアンドロールはファンダメンタルになりつつある。チームで攻めることがますます重要になってくる。基本的なやり方を身につけておくことで、オフェンス全体にバリエーションが増える。身体的な能力強化以外にも、オフェンスを活性化させる方法はある。

インサイドはディフェンスの最後の砦でもある。相手チームのシンプルなローポストアタックを防ぐディフェンス力、ヘルプディフェンスの上手さとブロックショットの脅威があれば、チーム全体の守備力は一気に高まる。

パワーフォワードとセンターの役割の違いとは?

3人のアウトサイドの選手と2人のインサイドの選手、そしてそれぞれに12345と番号を振られたPG、SG、SF、PF、Cのポジション。これが一般的にバスケットでバランスが良いとされるポジションの分け方だ。では同じインサイドでセンターとパワーフォワードは何が違うのか。インサイドに2人、アウトサイドに3人というバランスで考えてみよう。

ボールをもらえる側ともらえない側

青がオフェンスで赤がディフェンス。①がボールを持っているとき、パスコースには赤が入ってくるため、青はボールをもらうことができない。逆に②がボールを持っている時は、赤のディナイは距離的に間に合わず、青にボールが入る。

これを言葉で説明すると、「赤と青を結んだ直線を二等分する垂線を境に、ボールマンの位置によってボールをもらえるかもらえないかが決まる」ということになる。③からディフェンス側にボールがあればボールは入らないし、オフェンス側にあればボールは入る。

これを踏まえて次の図を見てみよう。(クリックで拡大します)

④には入るが⑤には入らない

②にボールが渡れば④はボールをもらうことができるが、③にボールが渡っても⑤はもらうことができない。④も⑤もミドルポストに位置している点では変わらないが、②の方が若干③より下気味でボールをもらうことができたのが大きい。

インサイドがボールを貰える仕組みは基本的にはこの図で理解できる。ボールをもらうにはスクリーンと見せかけて面をとったり、ディフェンスの視線を切ってから前に飛び出したり、面をとると見せかけて裏をとったりといった駆け引きも必要だが、この仕組みを理解して、ボールが渡る位置を予想することも大切だ。

上の図でいえば、④がもしエンドラインギリギリの位置にいれば、②にボールが入ってもパスコースは閉ざされてしまう。しかし④は⑤より一歩だけ上の位置を占めることで垂線自体を押し上げ、②と自分の関係性を有利なものにできる。大切なのはマークマンとの関係性の中で、垂線をコントロールしてパスコースを確保することだといえる。

5人がバランスよくコート上に展開し、かつインサイドにボールが渡ることで、パスがコート上をよく回り、ディフェンスを効果的に攻略することができる。ところがディフェンスもそれを阻止しようと、ディナイによってパスコースを遮断しようとする。そうするとパスを繋ぐためには、パッサーに近かったり、リングから遠ざかった位置でボールをもらわなくてはならないケースがでてくる。

そのため頻繁にこういうバランスや

④にも⑤にもボールが入らない

こういうバランスが存在してしまうことになる。

インサイドも③もボールがもらえず、オフェンスが止まる

こうなると工夫なしにインサイドの選手にボールを入れることは難しい。作りなおしてアウトサイドの選手にスクリーンをかけてボールを繋いでいくのも悪くはないが、運動量が増えてしまうので、はっきり言って外の選手の体力的な負担はかなり大きくなる。NBAのように完璧にフォーメーションにしても、40分間続けるのは酷だ。

これを解決するためには、もっとシンプルな方法がある。④が外に出てボールを繋いでみよう。下の図を見て欲しい。(クリックで拡大します)

④がアウトサイドに出て、インサイドのスペースをつく

④がアウトサイドに出ることで、右のローポストが空いた。③がパスアンドランで走りこみチャンスを狙い、続いて遅れて逆サイドで⑤のスクリーンを受けた①が飛び込んでくる形ができる。④が外に出ることでフロアバランスがとれるうえに、オフェンスの大切なポイントになるインサイドへのボールの供給ができる。もう一つのケースも見てみよう。(クリックで拡大します)

④がパスを繋ぎボールを展開する

深い位置にいる③にボールを繋ごうと④が外に出ている。この動きをすることで、③の運動量が減ると同時に、ボールが広く展開され、ペイントエリアの十分なスペースを使って②と⑤でチャンスメイクができる。

こういった広くパスを回してインサイドを流動的に攻める形は、④がインサイドに留まっていてはなかなかできない。リバウンドという課題があるため、ゴール下で体を張れる選手が複数いることは大事だけれど、パスを繋いでスペースを空けることをしていかなくてはオフェンスが効率的にならない。

パワーフォワードという存在は、こうした要請に応えるポジションだということも可能だ。主戦場をインサイドとしながら、状況に応じてアウトサイドに出るスキルを兼ね備えているのがパワーフォワードだ。図の例では単なる繋ぎ役として使用したが、もし④が3Pシュートやドライブの技術を備えた選手だとしたら、ディフェンスとしては厄介な状況になる。

パワーフォワードがこれほど便利ならば、センターはいらないのではないかという意見もあるだろうし、センターらしいセンターも多い。

けれど、あらゆるポジションに求められる万能な能力を持つバスケットボール選手はなかなかいない。パワーフォワードとして優秀な選手でも、ゴール下で魔神のような働きをするセンターの代わりはできない。たとえアウトサイドプレイができなくても、優れたセンターにはそれだけで価値がある。

ボールの広い展開は、インサイドの「脅威的な存在」にボールを収めることとセットだ。パワーフォワードを2人揃えても、それがペイントエリアでの相手にとって重大な脅威になれないなら、やはりセンターの存在は助けになる。パワーフォワードがいることで、パスが垂線の内側まで回る回数は増えるのだから、やはりこの組み合わせはバランスがいいのだ。

総括すると、センターとは身体能力に優れ、インサイドで自らがディフェンスの脅威となることを優先してプレイし、面とりの技術やステップ、フックシュートやパワーレイアップなどのスコアを期待できるパターンを習得する。パワーフォワードはインサイドでの得点力を持ちながら、状況に応じてミドルシュートやドライブなど、アウトサイドでのプレイにも対応するスキルを持つ存在だといえる。

ただ、ポジションを定義することでそのプレイ内容まで限定しないように。チームのためとあらば、センターでも外に出てボールを繋がなければならないし、外のスキルがあるパワーフォワードでも、体を張って自分より大きな相手にパワープレイで向かっていく状況はある。あくまでバランスの指標、考え方の枠組みの一つの助けとして、ポジションごとの一般的な特性がある。

インサイドの選手の動き方について

ここまででセンターとパワーフォワードの動き方の違いは少しは掴めたと思う。ここではそのイメージに加えて、インサイドプレーヤーの動きの原則を幾つか示す。

ボールを持とうとしないインサイドはディフェンスを楽にする。得点を狙わない、狙う力のないインサイドについているディフェンスは、ゾーン気味に守って他の味方を助けようと、積極的にヘルプポジションに重心をとる。インサイドの選手の大切な役割は、バランスのとれたフロントコートでインサイドにボールを収め、効率的なオフェンスの形を作ることにある。まずはインサイドでボールを持つことを念頭に置こう。

ボールを持てない状態でいつまでも同じ場所に留まっていないように。たとえば先ほどの図をもう一度見てみよう。

④にも⑤にもボールが入らない

先程は④が気を利かせて動いたケースを紹介したが、もし仮に④と⑤がもしこのままボールをもらえない状態でアクションを起こさなければ、オフェンスはうまく流れない。ディナイでパスを回せず、外側に追い詰められたオフェンスは、④と⑤がいてドライブのコースのない状態で1on1を仕掛けることになる。入る見込みのないジャンプシュートを打たされやすい。

インサイドがボールをもらえないまま同じ場所にとどまり続けると、オフェンスは窒息してしまう。もらえない時はその場を離れて、自分が空けたそのスペースに対してスクリーンをかけて誰かを飛び込ませたりするといい。④が⑤にスクリーンにいき、⑤はローポストに、④はハイポストへと移動するハイアンドローの動きをするだけで、ボールは回るしインサイドへのパスも狙える。

強力なセンターでも、基本的に動かないことはない。もし動けないor適切に動くことができずに味方と動きが合わないなら、エンドラインのギリギリの位置で、外の選手の自由なオフェンスを邪魔しないようにし、あわせに徹するといい。

参考記事:センターの面取りのコツを押さえて、インサイドに強い起点を作る方法

ボールをもらったら勝負する。多くのチームではインサイドにボールが入った瞬間に外の選手に寄るように指示をしている。いつか強力なセンターと遭遇することを考えれば適切だ。けれどそのために、多くのインサイドはパスをさばく技術が向上する反面、肝心な得点力が伸び悩んだりする。

そういった選手が、いざ試合で「インサイドに入っても寄るな」という指示の相手とあたれば、独力で点をとれず、周りに得意のパスもさばけないというシチュエーションになりがちだ。得点力は高めておこう。

もうひとりのインサイドとのバランスを保つこと。明確なねらいのないときに同じサイドに2人のインサイドが寄ることで、互いに潰し合ってしまう。

リバウンドボールには飛び込む。どんなにスクリーンアウトの意識が強固なディフェンス相手でも、リバウンドに行きさえすればボールが跳ねてくるかもしれないしファールをもらえるかもしれない。落ちる先を予測し、ボールに絡むよう意識しよう。

適切に状況を判断して動くこと。パッサーからボールをもらうためにボールの行方を予想して垂線をコントロールしたり、駆け引きで出し抜いて面をとったり、必要とあらばアウトサイドに出てボールを繋いだり、スクリーンをかけて味方を活かしたり、ドライブのスペースを空けるためにクリアしたりと、状況をよく把握して適切なプレイをすること。パワーや高さが強調されるインサイドは、瞬時の状況判断力と展開を作る力がいるポジションだ。身体能力を鍛えるのはもちろん、ポイントガードと同じように高いバスケIQを持とう。

インサイドの選手に役立つ練習方法

インサイドの練習方法として、いくつか参考になりそうなものをおいておく。

参考記事:バスケ筋トレの定番、家でも実践できる7つのトレーニングメニュー
参考記事:筋力と持久力をつけるための、バスケット選手の筋トレ方法マニュアル
参考記事:身長差なんて覆せ!バスケットのジャンプ力を高めるトレーニング方法
参考記事:バスケのリバウンドをとるコツと、練習でどんな感覚を磨けばいいか

スクリーンプレイの技術はチームの攻撃を活性化させる上で大切だ。インサイドの選手のスクリーンが、オフェンスの中でデザインされるチームは多いだろう。

参考記事:バスケットのスクリーンプレイを成功させるためのいくつかのコツ

特に強調しておきたいのが、インサイドの選手のハンドリング能力の大切さだ。多くのセンターやパワーフォワードは、接触や混乱による緊張感や力みから適切にボールを扱えずに、ゴール下で身体任せのプレイをしてしまう。ボールの扱いに不安があるために、顔を上げて冷静に周囲を見ることができず、パスは不正確になりドリブルは安定せず、シュートタッチも制御できない。

ボールに対する扱いを見直すだけで、インサイドワークのスキルは段違いに成長する。練習が待ち遠しくなり、ボールをインサイドに収める楽しさを覚えることができる。

参考記事:すべての練習の効果を倍増させる、ボールハンドリング上達法の全て

インサイドプレイにオススメの書籍


参考記事:バスケのポジションの決め方、そしてスタメンを勝ち取る方法の話
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