バスケのオフェンスの基本的な動き方を理解する、種類別カットの解説

カット、もらい方、動き方

バスケットボールでカットのことを理解できれば、試合中の判断が適切なものになっていく。むやみな頑張りがなくなり、味方と協調してオフェンスしていきやすくなる。適切なカットを身につけられれば、スクリーンなしでもディフェンスを振り切りやすくなり、ボールを持っていないときにもアウトナンバーのチャンスが作れるようになり、意図的にディフェンスを動かしてボールマンのオフェンスを助けることもできるようになる。ボールを持っていない選手が上手く動くことで、チームは多くの恩恵を得られる。

ここにオフェンスの考え方と、その中で様々なカットがどのように位置づけられるかについて記しておく。「カットってなに?」という状態では、すぐにわからないかもしれないが、バスケットのオフェンスシステムを学んでいけば、だんだんわかるようになってくるものだ。少しずつ頭に入れていくといい。

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カットの種類とディフェンスを振り切るコツ


カットの位置づけとコツ

オフボールマンがディフェンスを振り切ってボールをもらおうとする動きは「カット」と呼ばれ、VカットやLカット、バックカットなどが一般的に知られる。個々のカットだけを学ぼうとしても、それがオフェンス全体の中でどう生かされるのか、ねらいは何なのかが整理されていかなければ、よくわからなくなって学べなくなってしまう。

「カット」がどういうものなのかを把握するのに、下の記事を読んでいこう。カットという動きの技術は、チームが目指す明確なオフェンスシステムの一部として存在する。チームがどうやって攻めているのかを把握することで、カットという技術がどんな意味や効果を持つかが理解できてくる。ディフェンス相手の5対5の駆け引きは、「スペーシングの原理」と「カット・スクリーン」といった基本的な要素を踏まえてデザインされている。

参考記事:バスケのオフェンスの動きの考え方、パッシングゲームの攻め方の話
参考記事:ブルズとレイカーズを優勝させた、トライアングル・オフェンスの解説

どこにボールがあるときに、周囲はどのようにスペーシングし、どういった動きをするかという、チームによって異なる前提のもとにカットは配置されている。基本的なルールや選択肢、優先するプレイは違うので、急造チームでは連携がしばしばうまくいかない。自分一人がバックカットしようと思っても、カットする先のスペースに他の味方がディフェンスを引き連れてきてしまっては難しくなる。いまどんなスペースが周囲にあり、それをどう生かそうとしているかを一人ひとりが把握してオフェンスしていくことが大事になる。

参考記事:バスケットボールの視野を広げることと、余裕のある動きについて

ボールと味方が動いていく中で、パッサーがパスをできるタイミングに合うようにカットする。チームでルールが共有されていると、この判断の感覚を磨いていきやすい。

ディフェンスはオフェンスがボールを好きに動かすことと、オフボールマンがカットした先でボールを受けてチャンスを得ることを防ぎたい。だからディフェンスはパスコースを潰そうと、多くの局面で以下のようなポジショニングを保ち続けることが予想される。よく訓練されたディフェンスはこの位置関係を保ち続けて、カットしようとしても容易にボールをもらわせてくれない。

ディフェンスのポジショニング



そこでカットをする際にはフェイクが大切になる。意図している動きと逆の動きをディフェンスに読ませ、その反応の裏をつくように動くことができれば、ディフェンスとの位置関係を崩してチャンスを得やすくなるだろう。目線や肩、頭を向ける方向だったり、実際に意図する方向と逆に動くことで、ディフェンスに重心移動を起こさせ、その逆をつくことを意識してみよう。「複数の選択肢を用意しての駆け引きで勝つ」という考えは、この競技のあらゆるところで役に立ってくれる。

基本的なカットの種類を紹介

Vカット

Vカット

アウトサイドでボールをもらうために使用されることが多いカット。止まったままボールを受けようとするのではなく、ディフェンスを一度リングの方向に移動させることで、ヘルプさせづらく、かつ自分もボールを受けやすい状況を作る。ゆっくりと押し込んで急に飛び出すというように緩急をつけたり、一度はっきりとコンタクトを起こすのも良いだろう。


バックカット

バックカット

ボールマンから見て、マークマンの裏を通ってリング方向へ向かってボールを受けようとするカット。ディフェンスがこちらの動きに対してオーバーディフェンスしたときがチャンス。パスした後やVカットをディナイされた時などにもよく使われることになる。




フロントカット

フロントカット

こちらはボールマンから見て、マークマンの表を通ってリング方向へ向かってボールを受けようとするカット。このやり方でボールを受けられれば、マークマンと横並びになりやすいためオフェンスにとってとても有利な状態でリングにアタックできる。多くのディフェンスはあらかじめボールサイドに寄って守ろうとするけれど、他の動きを予想させたときや、フェイクを入れてから使うとチャンスになる。


Lカット

Lカット

Vカットと似たような動きになるが、Lの字を描くように動く。縦軸と横軸の動きの組み合わせになるため、ディフェンスからすれば止めづらい。ローポストから同じサイドのエルボーに動き、その後にウィングへ向かうようなL字なら、ディフェンスはディナイしづらいだろう。裏に投げられたり、その後にバックカットされるリスクが高いからだ。


カールカット

カールカット

味方のスクリーンを巻くように動くカット。シューターが打つために非常に役に立つ。スクリーン時には確実にオープンになるために、ディフェンスの動きをよく見ることが大切だ。ディフェンスがスクリーンに対してユーザーの後を追って来た場合は、スクリーナーを巻き込むようにカールカットする。ディフェンスがカールカットを予期して先回りしようとしたら、自分とスクリーナーとディフェンスの位置関係が一直線になるような場所へ開くといい。


フラッシュカット

フラッシュカット

ポストマンがハイポストに動いて使うことが多い、ボール方向に向かってレシーブするようなカット。フラッシュ前には自分のマークマンに近づいて、目線を切るような動きを入れると良いだろう。

さらに個別のカットの方法を動画で観たい人には日本協会の公式DVDがある。カットだけではなく、オフェンスに必要な基礎的な練習メニューが体系的に網羅されている。様々な書籍を読み漁るよりも混乱なく、シンプルで実践的なオフェンスの要素、指導法をイメージする助けになるだろう。



シンプルなアクションを心掛け、ターゲットハンド、アイコンタクト、声でパッサーと協調することも意識すると、味方とよいタイミングをつかんでいきやすい。カットの理解はマンツーマンだけではなく、ゾーンディフェンスを攻略する時に役に立つことも覚えておこう。

スペーシングやカットの概観を理解するのにあたっては、下記の書籍もオススメだ。一見複雑に見える強豪校のオンボールスクリーンでのオフェンスの組み立ても、基本的な原理がもとにあることを知ることができるだろう。



書籍では情報が頭に入ってこない人、なかなか時間的な流れの中での組み立てが理解しづらい人には、下記のような天理大学のDVD教材もある。カットのようなオフェンスの動き方は、全体の攻め方の一部として理解される必要がある。分解された要素を覚えていって、「ここではあの動きが使われた!」と気づけるようになる瞬間がくる。チームオフェンスのデザインを知ると、バスケットはもっと面白くなるだろう。

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