バスケのポジションの決め方、そしてスタメンを勝ち取る方法の話

バスケのポジションとスタメン

バスケットボールには1~5番までのポジションが存在する。下の参考記事でもわかるように、それぞれPG、SG、SF、PF、Cという略語があてられ、この5つの組み合わせがもっともバランスに優れているとされる。

参考記事:バスケットのポジションごとの役割を、初心者にもわかりやすく解説

たしかにこれはわかりやすい枠組みだ。けれど現代のバスケットは複雑化していて、ありきたりのポジションのイメージに当てはまらない選手たちが次々に登場し、バスケットボールで個々の選手が果たす役割を理解しづらいものにしている。3Pシュートを打つセンターも、ポストアップするガードも珍しくない。

この記事はあなたがこの複雑化した役割分担をどう把握すればいいのかを説明する。どうすればレギュラーメンバーになれるのか、自分の役割や場所を探している人の参考になればうれしい。

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ポジションと、どうしたらスタメンになれるのかという話


ポジションってなんだ?

そもそもポジションという枠があるのは、役割分担がバスケットボールでは効果的だからだ。たとえば速攻を出すためには、リバウンドをとる人間と、パスを前に飛ばす人間と、先頭を切って走る人間が必要だ。一人ひとりに役割を定めて、同時に別々のミッション(任務)をこなしたほうが、より得点率は高くなる。

また選手にはそれぞれ個性がある。背が高い選手、脚が速い選手、パスが上手な選手。それらの選手が同時に同じ事をやるのではなく、別々のミッションを統一された意図のもとで行なうことで、それぞれの強みを十分に発揮できる。

また、ミッションが決まることで、選手たちの努力の方向も定まり、効率的に成長することでチームへさらに貢献できるようになる。センターはアウトサイドシュートよりもインサイドプレイを磨くことで、自分の担うミッションについてより上達し、チームの助けになることができると考えられる。

どのように選手の個性を繋ぎあわせて、それぞれのミッションを統一させて戦うかというところにチームの個性が出るのだから、チームごとに個人個人が行なうミッションは当然異なる。ただ、今のような5つのポジションは、歴史の中でオーソドックスなものとして発展してきたものだといえる。

ポジションは変わり、生まれていくもの

これを知るには、まずはサッカーのフォーメーションに歴史を見ることが参考になる。

参考ページ:サッカーのフォーメーション – wikipedia


オフサイドルールが現代のように整備されていなかった昔は、FWの位置に4~5人いるのが当たり前だったのだ。バスケットボールでセンターが4人ポストアップしているチームなど見たことがあるだろうか?

サッカーではその後、ルールの変更と流行の戦術に対抗する形で新しいフォーメーションが生み出され、効果を認められたフォーメーションが他のチームにも採用され、それが新たな流行となり、またそれに対応する新しいフォーメーションを生み出していくことになる。現在の4-4-2や3-5-2や4-5-1などは、進化の過程でより勝利を探求した結果、生み出されたものなのだ。

その過程で選手のミッションも複雑化し、様々なポジションが生まれた。FW、MF、DF、GKの中に、トップ下、ボランチ、ウィング、リベロ、スイーパーなど、役割を細分化された選手たちがチームのために効果的に仕事を行うようになった。

これをバスケットボールに当てはめて考えてみると、たとえば3Pラインがなかった当時は、インサイドがオフェンスの中心であり、このポジションの選手の質がそのままチームの勝敗を大きく左右した。しかし3秒ルールや3Pシュートの導入により、外の選手の重要性が格段に高まると同時に、チームがとる戦術も一気に多様化することになった。つまり選手に与えられるミッションの種類が増えたのだ。

そんな中で、現在の1~5番までのオーソドックスなフォーメーションは、汎用性が高いと多くのチームに認められた形態だ。この5つのポジションにそれぞれ適性の高い選手を集められれば、チームバランスは整う。つまり、ボール運びにも、リバウンドにも一定の力があり、ポジションチェンジしてスペースを上手く生み出しながら内と外を臨機応変に攻められる形になる。

参考記事:ポイントガードの役割や動き方、どう練習していくといいかということ
参考記事:バスケのインサイドの役割、センターとパワーフォーワードの違いとは
参考記事:シューティングガードとスモールフォワードは違う? その役割を解説

バスケットボールはなかなか複雑な競技で、それぞれがどのようなミッションを担うのがいいのかは、個々人のエネルギーや個性のバランスによってまったく違ったものになる。しかしこの基本的なポジションの選手を軸にチームを捉えることで、ある程度の力を発揮するチームを作ることは可能だし、選手たちもその方が自分のミッションと成長方針を理解しやすくなる。

バスケットボールという競技を理解するうえで、この5つのポジションはとても便利だ。例えばボール運びといえばポイントガードだが、バスケット経験者ならシューティングガードやスモールフォワードもボール運びを手伝うケースもあると知っている。だが「ボール運びは主にポイントガードの仕事」としておくことで、選手は自分の基本的な役割を把握できるし、コーチも誰が何をするかについての思考をシンプルにまとめることができる。

このように、1~5番のポジションの割り振りでバスケットボールを把握することは、様々な点でメリットがある。けれど本当に大事なのはポジションではなく、それぞれの選手が個々のチームの中で、どう強みを出してそれぞれのミッションを達成するのかだ。

進化するミッションとポジション

またも引用になるが、wikipediaのポジションのページを見て欲しい。

参考ページ:バスケットボール選手のポジション – wikipedia


バスケットボールのポジションの下に特別なポジションという表記があり、コンボガード、スウィングマン、ポイントフォワード、フォワードセンターという項目があるのがわかるだろう。これらは1~5番というオーソドックスなポジションの類型には当てはまらない。しかしそれぞれのページを見れば、NBAのスター選手の名前が挙がっていることからもわかるように、これらの特別なポジションの選手は存在するし活躍している。

彼らはオーソドックスな5つのポジションから見れば、複数の役割を担える選手だということになる。しかしオーソドックスなポジションのことを一度、頭から外して考えてみた場合、彼らはそれぞれ「コンボガード」や「ポイントフォワード」という存在以外の何者でもない。

ポジションがGとFとCしかない時代に行って、バスケットファンに「シューティングガードって知ってる?」と尋ねたとしてもわからないだろうし「シュートも打つし、ボール運びもするんだ」と言えば、「ああ、フォワードとガードを両方できるような選手なんだね」となるだろう。まだシューティングガードの重要性が知れ渡っていない世界では、そもそもシューティングガードを目指そうとする選手も少ない。

そんな時代にシューティングガードの選手が突如タイムスリップしたら、強烈に驚かれ、チームで重宝されるに違いない。「シュートがよく入るうえにボール運びもできるなんて!」という具合に。もちろんこれは喩え話だが、サッカーの歴史で見たように現実に起こってきたことなのだ。

つまりポジションが選手のミッションを作るのではなく、勝利のために必要なミッションがポジションを生んできたのだ。そして勝利に必要なミッションというのは、チームごとに異なるし、いまこの瞬間も新しい環境で勝ち抜くために、新しいミッションが生まれ続けている。

前述の特別なポジションの選手たちだけではない。センターが外に出て3Pシュートを平気で狙うようなチームがあるのなら、ビッグマンが釣り出されるため、アウトサイドの選手でも積極的にポストアップしてゴールを狙うプレイが求められるだろうし、チーム全員がアウトサイドシュートを打てるようになるのならば、純粋なシュータータイプは姿を消すかもしれない。

このように時代の流れや周囲の状況によっても、チームメイトの個性によっても、個人に求められるミッションは刻一刻と変化していく。このような状況では、「自分はSFになろう、SFに必要なのはシュート力とドライブだな」という単純な発想では活躍するのは難しくなるかもしれない。

強烈なインサイドマンがチームに加入すれば、シュート力に特化した選手こそチームに求められる人材になるかもしれないし、ボール運びが弱ければポイントフォワードのような役割を担わなければならなくなるかもしれない。

極端な話、インサイドの選手が充実しているのなら、チームに必要なのはゴール下を鍛えることではなく、アウトサイドプレイの強化だ。そのような状況ではあなたが190cmの選手だからといって、「自分はインサイドだな」と初めから決めつけてゴール下ばかり鍛えることは、自分の可能性を潰す選択肢かもしれない。試合に出るために大切なのは、自分をポジションに当てはめるのではなく、チームに必要なミッションを担う力をつけることだ。

少しずつ力をつけていくこと

バスケットボールのことがよくわからないうちは、オーソドックスなポジションの類型を頼りに、誰かのマネをしながらプレイしていくことになる。経験を積むうちに、チームに足りないものがわかってくる。それはコーチの発言の端々にヒントとして表れるだろうし、実際の試合で自分のチームのうまくいっている部分やいかない部分は明らかになっていくだろう。その問題を解決できるような力があるのなら、試合には出やすい。

このときに強力な武器になるのは基礎とされる練習だ。体力作り、フットワーク、ボールハンドリング、シュート、パス、ドリブル。基礎を確実に身につけた選手は、いろいろな役割に対応しやすい。それはすなわち、どんなミッションが与えられてもチームに貢献できる選手になれるということだ。

参考記事:バスケのシュートのコツと、入るフォームを自分で探す方法について
参考記事:パスの極意を教えます! 力を合わせるバスケットのためのパスの練習法
参考記事:バスケのドリブルテクニックを劇的に上達させる、練習方法とコツ
参考記事:バスケットボールのファンダメンタルの意味について思うこと

自分のポジションを早々に決めることはない。たとえ背が高くても低くても、早い段階で何かに特化しようとしなくていい。基礎を充実させることに努めることで、いまの自分を生かしながら、将来的な可能性も広げられる。いま現在、自分の武器があるのならそれは素晴らしいことだ。そして素晴らしい武器はいくつかあっていい。

背がこのくらいだから自分はフォワードだ、シュートとドライブをしなくちゃ。とかではなくて、チームでよりよく生きる道を探しつつ、いろいろな力をつけていく。自分のこだわりたい好きなプレイがあるなら、それがより生きるような形を見つけていく。どうすれば試合に出られるか、ポジションという枠組みの思い込みを一度捨ててみることが、いま悩んでいる人には一つのヒントになると思う。
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