バスケをもっと深く知って楽しむための、バスケを分析した21の論文

バスケを分析した論文

ふだん私たちがバスケットボールをしていく中で、何気なく気づいてくこと、わかっていくこと、常識になっていくことがある。私たちは経験からバスケットボールという競技を理解していく。一方で、バスケットボールでは様々な数字や科学的な分析が行われている。そういったものを知っていくことも、あなたがこの競技を楽しむために役立つ面があるだろう。

ここではバスケットボールの論文の数々をご紹介する。なんとなく常識だと思われていることでもデータとして見れば理解が深まるし、新しい発見をもたらしてくれるかもしれない。簡単な説明もつけたので、興味があるものから読んでいこう。

sponsored link

バスケを分析できる論文


「この論文を読む・さがす」の下に、「CiNii 論文PDF – オープンアクセス」というところがあるので、クリックすればPDFファイルが開く。PDFリーダーがない人は下のページから無料でダウンロードできる。

Adobe – Reader

シュートの論文

コンピュータ動作分析システム(APAS)を用いたバスケットボールのシュート分析

初心者と熟練者のシュートモーション比較。初心者はお尻が下がっておらず、股関節の屈曲が少ない。対して熟練者はしっかりとした屈曲があり、リリースする腕もより高く「上」へと伸びているのに注目。

バスケットボール競技のセットシュート時における動作の巧緻性とシュート成功率との関係 : 大学女子バスケットボール選手について(09.体育方法,一般研究発表)

シュートが入る人ほどフォロースルーが大きいとの実験結果。確かに経験から言っても、フォロースルーとシュート成功率には関連がある印象。意識してみるといい。

バスケットボールゲームのシュートについて : シュート角度による考察

ボールの放射角ではなくて、肩と肘の角度の研究。62.1度から±7.4度が理想の角度だそう。ただ3M以内からシュートする場合は、明らかに角度を上げることになる。最適な角度が違うということは、最適なフォームも違うわけで、遠くからのシュートになれていると短い微妙な距離のシュートがとっても難しくなるのはこういうことか。

バスケットボールにおけるシュート打点の高さとボールの軌跡に関する解析 : ミニバスケットボールのセットシュートについて

打点が高いほど理想的な放物線になるという実験結果。ただ打点を上げようとするあまり、ボディバランスが崩れてしまっては本末転倒なので、しっかりと打ち込んで安定して跳べるようになるといいだろう。

連続動作時における主運動の視覚情報獲得時期 : バスケットボールのシュート前パスの種類の差による検討

ループパスよりもチェストパスの方が、アシストされたときにシュートが入りやすいという結果。視線をリングに移す時間が関係しているのだとか。状況を確認して狙いを定めるには視野を大事に。

こちらも
参考記事:バスケットボールの視野を広げることと、余裕のある動きについて
バスケットボールのシュート練習法の基礎的研究

シュート練習では同一ポジションからのものより、近いところから徐々に離れていく形式のほうが有意に効果が現れるとのこと。まずは近くから、それから遠くへと徐々にシュートポジションを移そう。

こちらも
参考記事:飛距離を伸ばし、成功率も向上するシュート練習の方法について
バスケットボールにおけるアウトサイドシュートに関する一考察

検証したのがNBA選手のゲームとはいえ、「インサイドからのパスの方がアウトサイドシュートは入る」とは言えないとの結果に。ミドルラインからのアシストパスでアウトサイドシュートを決めるパターンが多かったようだ。

リバウンドの論文

バスケットボールにおけるリバウンド・ボール,ミス・プレイの分析的研究

オフェンスリバウンドの獲得本数が上回る現象は、勝利するチームに顕著に見られるとのこと。リバウンドを制するものはゲームを制するといわれるゆえんか。他のデータも興味深い。

オリンピック大会バスケットボール競技の身長と成績との関係についての研究 : 身長とリバウンドボール獲得本数

具体的な身長とリバウンドの優位性が数字になっている。身長の高いチームの方が80%の確率で総リバウンド数を相手よりも多く獲得する。リバウンド1本は0.8点に相当する。どうしても身長はバスケと切り離せない要素だ。

女子バスケットボールの勝因分析 : リバウンドボールについて

勝利にはリバウンドを制することと、その掴んだセカンドチャンスをねじ込むことがとても大切。セカンドチャンスのときにねじ込めるかどうかという感覚がカギ。大きくてぼんやりしている選手より、小さくてもリバウンドが習慣づけられている選手のほうがよい傾向にあると思う。

バスケットボールにおけるリバウンドボールが勝敗に及ぼす影響

こちらはJBLのファイナルを分析したもの。同じくオフェンスリバウンド後に得点を決められるかが勝利には重要なファクターだ。リバウンド直後に状況を判断するのは難しいが、得点することに不安があるならセカンドチャンスのために一度ボールを戻すことも必要だ。

バスケットボールにおける3点シュートのリバウンドボールの落下位置について

3Pシュートはリングから4.20m以内に8割強が落ち、正面から打つと4割が正面に短いバウンドで返ってくる。これを知るだけでもオフェンスリバウンド時にどちらに向かえばいいかの基準になる。リバウンドは予想することが大切だ。

参考記事:バスケのリバウンドをとるコツと、練習でどんな感覚を磨けばいいか


パスの論文

選択反応時の注視点の研究

未熟者は視点で周囲をとらえ、経験者は視野でとらえている。つまり未熟者は色々なところを見るために実際に目を動かしているが、経験者は視野で全体をとらえている。

バスケットボール・プレイヤーの視線研究 : 熟練者の3対2におけるミドル・マンのパスについて

熟練のガードほど視線をフェイクに使い、視野の確保のために一点を見続けないということ。視野を広く保ち、対象物だけに注意を奪われないことがパスのコツのようだ。

バスケットボール選手におけるプライオメトリックスがジャンプとフットワーク能力およびパス能力に及ぼす効果

メディシンボールを用いたチェストパスの練習が、チェストパスのモーションと飛ぶ速度を向上させた。ベンチプレスよりも重いボールを使うことがいいようだ。

バスケットボールにおけるチェストパス能力を高める上肢のプライオメトリックスに関する研究

同じく上半身で飛ばすというより、上半身の動作を速くすることが大事。重いボールを用いたプライオメトリックトレーニングが有効。身近にメディシンボールがあるなら試してみよう。

バスケット・ボール,チェスト・パスの考察

チェスト・パスのやり方を詳しく解説。初心者にもわかるように文章化してくれている。重心移動や肘やひざの動きにも触れている。

バスケットボールのチェストパスにおける技能の水準と換気効率の関係

熟練者は呼吸を上手く使ってパスしている。ということ。力の入れ具合と呼吸は密接に関わっている。シュートについても呼吸を止めずに短く吐けと指導する人もいるが、自分の呼吸についても少し意識してみると、大きなヒントになるかも。

バスケットボール競技におけるパスの日米間比較

日本よりもアメリカの方がチェストパスが少なく、状況に応じた種類のパスを使い分ける傾向に。確かにパスの使い方が曖昧になっているケースは多い。ピボットの技術と関連して、適切なボールの扱い方に習熟していこう。

こちらも
参考記事:パスの極意を教えます! 力を合わせるバスケットのためのパスの練習法


おまけ:速攻の論文

バスケットボールのゲームにおける速攻の要因について

全体で速攻の割合は2割。その半分はスティールからうまれ、リバウンドからの速攻は25%ほどに留まる。得点を決められてからの速攻はほとんどない。レベルの高い試合なのでセーフティがいないということもまずなかっただろうから、すべてのカテゴリーに当てはめることはできないだろう。なんでもかんでも速く攻めるのではなく、3秒でセンターラインをボールが超えられるかという判断も大切だ。
sponsored link

関連する記事

シュートマジック

ディレイオフェンス