守り勝つバスケのための、ディフェンス方法の種類と用語の意味を解説

バスケのディフェンスの用語

今回はディフェンスの用語を使用して、バスケットボールのディフェンス全般について。バスケットボールはオフェンスとディフェンスの出し抜きあい、裏のかきあいでもある。オフェンスで優位に立つためにも、ディフェンス時に相手を押さえる方法を知るためにも、ディフェンスについて知識とイメージを磨いておこう。

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用語で理解するディフェンスの意味


ディフェンスの種類を解説

ディフェンスには大きく分けてゾーンマンツーマンという2つのディフェンスが存在する。マンツーマンディフェンスは一人ひとりが自分の担当する相手を決めて、責任を持ってそれぞれにあたる(マークする)ディフェンスのことだ。この1対1の関係のことをマッチアップといい、自分がマークする相手をマークマンという。たいていは高さや速さについて自分と運動能力の近い選手にマッチアップするのが普通であり、攻守の能力に差があるマッチアップをミスマッチという。

ゾーンディフェンスとは、それぞれがある一定の守備範囲を担当することで、オフェンスに対してブロックを形成して守るやり方だ。2-3や1-1-3、2-2-1など、5人の位置取りや展開する範囲によって様々な種類がある。

また、ゾーンとマンツーマンを組み合わせたものとして、ボックスワントライアングルツーといった、四角形や三角形のブロックを作り、残った人数で相手オフェンスのキーマンにマンツーマンでつくやり方もある。ゾーンの形を保ったまま、マンツーマンの要領で一人ひとりがマークマンを受け持ち、動きに応じてマークを受け渡す形で守るマッチアップゾーン(アメーバーゾーン)というものもある。

マンツーマンとゾーンの前には、それぞれの展開範囲によって「ハーフコートの」や「オールコートの」というような言葉がつく。オールコートのゾーンディフェンスだと、コートの全面に展開してボール運びにプレッシャーをかけ、ミスを誘うようなディフェンス方法になる。ハーフコートのマンツーマンだと、しっかり自陣に引いてから手堅く守っていくオーソドックスな形になる。

ディフェンスにはプレストラップいう形態もある。プレスはマンツーマンやゾーンの形で守る中で、より積極的にオフェンスに対してプレッシャーをかけ、パスやドリブルを困難にさせてボールを奪いにいくという、相手のミスを待つのではなくミスを起こしにいくディフェンスの形態だ。「オールコートのマンツーマンプレス」というように、一番後ろに「プレス」がつく。

トラップは守りの中で狙いを定め、チームの約束事に基づいてボールマンに対して2人がかりで囲み、ボールの奪取を狙いに行くディフェンス方法のことだ。トラップ時に限らないが、1人に対して2人、3人がマークにつくことをダブルチームトリプルチームという。

このように一言でディフェンスといっても様々な種類の組み合わせが考えられる。常に同じ方法でディフェンスするのではなく、一定の約束事に従って状況ごとにディフェンス方法を変えるやり方をチェンジングディフェンスという。

マークマンがボールを持っていないときのディフェンス

ボールを持っていないオフェンスのことをオフボールマンという。ここではオフボールマンへのディフェンスについて説明しよう。

ディフェンスのはじまりはボールが相手の手に渡った瞬間からだ。こちらがシュートを放ったとき、相手にディフェンスリバウンドを拾われて速攻を出されるのを警戒して、自陣に引き気味の位置を取ることをセーフティという。また早く自陣に戻ることをハリーバックという。

ボールラインという用語がある。これはボールの位置から両サイドラインへ伸びる仮想のラインを引いたもので、オフェンスが攻めあがってくるときには「ボールラインまで下がれ」というように、早く戻る意味のハリーバックを促すことが多い。

自陣に帰りながら、マンツーマンならば自分のマークマンを自分のディフェンス範囲にとらえる。これをピックアップという。ピックアップができたら、ボールミーユーという原則に従ってディナイディフェンスを行うことが多い。ボールミーユーとは、常にボールとマークマン(ユー)の間に自分(ミー)を置くことだ。こうすることで素早いパスがマークマンにわたることを防ぐ技術であるディナイを実行できる。

ディナイにはオープンスタンスクローズドスタンスという二通りのやり方がある。オープンスタンスはボールとマークマンを結んだ仮想ラインに対して、平行なスタンスをとる。対してクローズドスタンスは仮想ラインに対して、垂直にスタンスを取る。詳しくはこちらの記事を見てみよう。

参考記事:タイトなディフェンスでリズムを狂わせる、バスケのディナイのやり方

ディナイの際、パスコースに障害になるように手を差し入れ、手のひらをパッサーに向けることでパスを防ぐことをサイドガーディングという。またディナイをせずパスをもらわせることを許すが、背後にぴったりとつくことでボールをもらった時点で楽にシュートを打たせないディフェンス方法をバックガーディングという。

ディナイの際にはボールとマークマンの両方を視界におさめておくことがとても重要だ。この視界のことをビジョンという。また、ビジョンを確保した上でパスにプレッシャーを与えるための手をあげる、このことをハンズアップという。うまくパスをカットすることができればインターセプトとなる。

ボールを持っていないマークマンに対して絶対にパスを通されたくない場合、フェイスガードという特別な守り方をすることがある。パスコースに完全に入り、マークマンに身体を正対させて密着マークする方法だ。相手チームのエースなどに対して行われる。

また、ある程度は自分のマークマンを離しておいて、ボールマンのディフェンスを助けようとする試みとして、マークマンからゴール方向に下がって守るサギング、ボールマンのサイドに寄るフロートがある。

マークマンがゴール下に向かってカットしてくる動きに対して、その進路に立ちふさがって接触して防ぐ技術をボディーチェックといい、ドライブを仕掛けてきそうなオフェンスが近くにいる場合、ディナイを放棄してドライブコース上にポジションを移してけん制することをシャットザゲートという。身体を張るディフェンス方法としては、インサイドでポストアップするオフェンスに対して、前面に回りこんでパスコースを切る技術をフロンティングという。

ディフェンスでは一般的に1線、2線、3線という考え方をする。ボールマンについているディフェンスを1線、ボールマンの隣についているディフェンスを2線、ゴール下付近でヘルプポジションをとっているディフェンスを3線と呼ぶ。いずれもディフェンスの問題点を共有する際に便利な言葉なので覚えておこう。

スクリーンへの対応について

オフェンスがスクリーンを駆使してディナイを外そうとする場合は、ディフェンス側はうまくスクリーンをすり抜けなければならない。ファイトオーバーはマークマンと同じ側からスクリーンをかわし、スライドスルーはマークマンと反対側からスクリーンを外す技術だ。また、ファイトオーバーやスライドスルーを行わずに、マークマンを入れ替えることで対応するディフェンス方法をスイッチ(エクスチェンジ)という。詳しくは下の記事を参考にしよう。

また、ボールマンに対してスクリーンをかけるピックアンドロールのプレイの際に、スクリーナーについていたディフェンスがボールマンに対しドライブコースを塞ぐように顔を見せることをショウディフェンスという。またドリブル開始時に、スクリーナーをマークしていた方がスイッチしてボールマンに激しくプレッシャーをかけにいくことをスイッチアップという。

参考記事:バスケのピックアンドロールのやり方と守り方のコツを書いた本の紹介


マークマンがボールを持ったときのディフェンス

自分のマークマンがボールをレシーブした直後には、シュートを打たれないようにマークマンに近づく必要がある。これをクローズアウトという。クローズアウトの際は大きく走り寄るのではなく、足を小刻みに動かすハーキーステップ(またはスタッターステップ、フットファイアーとも)を駆使して近づくと、カウンターで抜かれづらくなる。

相手のシュートを阻止したら、マークマンとバスケットを結ぶ仮想の直線(ゴールライン)をまたぐように正対しよう。この時ゴールラインに対して垂直にスタンスを取ることをスクエアスタンスといい、片方の足をやや前方に出してドリブルの方向を限定させるスタンスをボクサーズスタンスという。

腰が高いと相手の急な動きに対応できない。腰を落として低い姿勢を保つことをステイローといい、プレッシャーを与えるために相手のボール位置に手を伸ばし続けることをトレースという。どちらもボールマンをディフェンスするときには大切な技術だ。シュート力が低い相手に対しては、シュートを打たれてもいいようにある程度離して守ることがある。これをコンテインディフェンスという。

ボール保持時、またはドリブル時に相手のボールを奪うことができればそれをスティールという。また、相手の進行方向に身体をうまく入れてチャージングをとればそれはテイクチャージと呼ばれる。うまく守った結果、相手がドリブルをやめて立ち止まれば、足元まで入って身体を密着させてあおり、うまくパスを出せないような体勢にまで追い込むことができる。これをベリーアップという。

シュートを打たれたときは、少し遅れてでもジャンプをしてボールに触れられるように手を伸ばそう。触れなくても十分にプレッシャーがかかるはずだ。これをシュートチェックといい、もしボールに触れてシュートがリングに触るのを阻止できればシュートブロックとなる。

ピンチでの対応について

ディフェンスがボールマンに抜かれたりして、フリーでシュートに持ち込みそうなときは、ヘルプディフェンスカバーディフェンスとも)が有効になる。これにはローテーションとリカバリーの2つの方法がある。

ヘルプアンドローテーションは、ボールマン以外のディフェンスが、自分のマークマンから離れてボールマンへのカバーに入ることだ。この場合、フリーのオフェンスが一人生まれることになるが、他のディフェンスも次々とカバーに入り、はじめに抜かれたディフェンスが誰かが担当していたマークマンをつかまえにいく時間を稼ぐ。

それに対してヘルプアンドリカバリーは、カバーには入るものの自分のマークマンから完全に離れることはない。ボールマンのシュートを遅らせて、もともとのマークマンがボールマンをつかまえるのを促し、その後はもともとの自分のマークマンをとらえる。ヘルプをした後、リカバリーするのだ。

ヘルプディフェンスにはカバーダウンという方法もある。インサイドにボールが入ったときにアウトサイドのディフェンスがボールマンを挟むように降りてくる。こうすることでインサイドのオフェンスはパスすることを余儀なくされるのだ。これはインサイドの選手が強力なときに有効なディフェンスだ。

どうしても相手を止められない場合、相手にファウルをすることで得点を阻む場合もある。ゲーム終盤の劣勢時に、チームファウルが5つ以上でファウルを犯すと無条件に相手側のフリースローになることを利用して、フリースローが落ちることを期待してわざとファウルを仕掛けていくことをファウルゲームという。また、意図しないファウルを重ねてしまい、5ファウルを警戒して本来出したい選手をベンチに下げざるを得なくなることをファウルトラブルという。

オフェンスはショー、ディフェンスは勝利という言葉もあるように、ディフェンスは勝利をもぎ取るためにはどうしても欠かせない技術になる。これらの用語の中に知らないものがあるのなら、あなたのディフェンス観を改めるのにきっと役に立つことだろう。自分のディフェンススキルを見直してみてほしい。

次回はいよいよ用語集の最終回となる、戦術理解のための用語をお伝えする。

次回の記事:攻め方の全体像を知る、用語でバスケがわかるシリーズ「戦術理解編」
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