映画「がんばれベアーズ」に学ぶ、全ての「チーム」に潜む問題点

がんばれベアーズ

あなたのチームで主力を担う選手が「下手な奴は試合に出すな、出てもシュートを打つな」と主張したらいったいどうするべきだろうか。そして同時に実力のない選手が「主力選手ばっかり試合に出してずるい! 自分もシュートを打ちたい!」と不満を言ったのなら、いったいどうすればいいのだろうか。

「がんばれベアーズ」という映画がある。アメリカの少年野球を題材にしたスポーツコメディなのだが、今回はこの映画から「チームに潜む問題」についてを考えることにしよう。

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全てのチームが潜在的に抱える対決の構造


あらすじ

アメリカ西海岸で新たに結成された少年野球チームにコーチとして就任したのは、元はマイナーリーグでのプレイ経験もある飲んだくれのバターメイカー。当初はコーチにやる気はなくチームは超弱小で、せっかく出た大会も初戦で26点も入れられて放棄試合になる始末。「恥ずかしい」「学校で馬鹿にされる」「もう最悪だ」「やめてやる」と打ちのめされてやる気をなくす少年たち。

しかしパターメイカーはこの状況に逆に奮起。解散しようとする選手たちを思いとどまらせ、かつての教え子アマンダや町の不良少年ケリーなど、野球の上手い選手をスカウトし、指導に熱を入れ、そこからチームは連勝を開始。ついには決勝で26点差で敗れた因縁の相手と再戦するのだが……。

チームが勝ちたいVS自分が活躍したい

この映画では決勝戦の寸前にチームメイト同士でもめごとが起こる。原因は準決勝でのケリーの振る舞いにあり、下手な選手の守備範囲に落ちてきたボールも全て横取りしてアウトにしていたのだ。これに下手な選手たちは怒る。「一人でやるのが好きなのか、おれたちだっているんだぞ!」とその選手を仲間はずれにする。

しかしチームの主力は「みんながもっと上手なら安心して任せるさ! 実力もないのに何を言う!」とこれに猛反発するのだ。チームは乱闘寸前になり、コーチのパターメイカーが無理やり仲裁に入る事態に発展する。この話の結末は実際に映画を見てもらうことにして、この対立について考えてみよう。

対立に悪者はいない

さて、このような対立が起こった背景を考えてみよう。選手たちははじめは勝てなくて、そんな自分たちにすっかり失望していた。そして心底から勝ちたいと思い、新加入の選手によってもたらされたチームの勝利にも喜びを感じていた。しかし勝ち進んでいくうちに、主力選手のあまりに突出した振る舞いに我慢できなくなってしまったのだ。

もしあなたのチームでこのような対立が起こるとしたら、と考えてほしい。あなたはどちらの考えを持つだろうか。「下手なんだからしょうがないじゃん」なのか、「チームなんだから一人じゃなくてみんなで頑張るべき」なのか。

これはどちらかが「悪い」という問題ではない。当事者たちは感情的にいらいらしているし、あなたも自分の状況に重ね合わせればどちらかに肩入れをするかもしれない。しかし第三者の目から見ればこれは、「どちらの気持ちもよくわかる」ことなのだ。そしてこのような事態はどのチームにも起こりえる。これはあらゆるチームが潜在的に抱える問題でもある。

「勝利のためにもっとも効果的なことをする」という主力選手の決意は変なことだろうか? そもそも彼らが勝利をもたらさなければ、チームは解散してしまっていたのだ。彼らの「勝ちたい」という気持ちがもたらす「勝利」から、チームは大きな利益を得ている。主力選手は下手な選手に勝利をもたらすためのお守りでも執事でもない。

一方で下手な選手たちの「負けるのは絶対にいやだ、でも自分たちも勝利に関わりたい、それなりの責任を与えられてそれを果たし、貢献したい」という、この感情はわがままだろうか? 彼らがいなければチームはなくなってしまい、練習はできず、チームの持つ多様性や雰囲気や絆は消え去ってしまう。彼らもまた、主力選手のための踏み台や部下ではない。

こういったときに指針を持たないリーダーは、両派の顔色を伺って右往左往することになる。それではいけない。トップはチームで成果を目指していく前提を破棄しないように。そして、試合に出ていない人に個々人に、試合に出るための理路を示しつつ出来る範囲で支援することだ。実力を向上させること。「確かにそうなる」と確信させるフィードバックを返していくことで、「いまはまだ力が足りない」という認知を健やかに持ちやすくなる。

主力に対しても「みんながもっと上手なら安心して任せるさ! 実力もないのに何を言う!」という言動が、チームに成果をもたらすうえで効果的なものなのか、障害になり得るものなのかを告げること。チーム内で感情的な違いがあるのは普通だ。それが強い対立になると成果が出ることに支障が出るというだけだ。対立が起こる前に、日々よいフィードバックをメンバーに返せているかをチェックしてみよう。
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