コーチ初心者にありがちな「欠点を指摘し続ける」という間違いの話

コーチ初心者の教え方の注意点

相手の行動を矯正しようとずっと怒っていても上手くいかない。怒ることが本当に有効なのか検討しなくてはならない。自分の他者への働きかけを、醒めた目で冷静に見られていないとよい指導は難しくなる。相手の欠点を指摘し続けることは、その相手が望んでいる方向へ向かうための支援の一つになりうるのか、自分に問いかけることだ。

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欠点ばかり指摘しても上手くいかない


ある選手がボールを適切な形でもらえない。「もっと考えてもらえ!」と声が飛ぶ。
ボールをもらってもシュートの判断がまずいと「そうじゃない!」と言われ、
シュートを外すと「イージーシュートだぞ! せめて自分でリバウンドにいけ!」と言われ、
リバウンドに行くと「すぐに戻れ!」と怒鳴られて、
ピックアップが遅いと「早く捕まえろ!」
ファウルをすると「自分で外しておいてファウルか、最悪だな!」と怒られる。

コーチは悪いところをつぶさに指摘するのが仕事ではない。ねらいを設定し、そのねらいが達成される方向へ選手たちが向かえているかを観察し、そのためのフィードバックを伝えるのがコーチの役割だ。気付いたことを片っ端から権威的に言うことがコーチングではない。NBAプレーヤーも含め、あらゆる選手が未熟であり、過ちを犯す選手たちだ。ミスを指摘するだけならば誰でもできる。一連の働きかけが相手にとって適正なものかを見抜く目利きがコーチだ。

コーチが「もっと速くしろ!」と雑にいうだけでは、選手は「おれは遅いんだな」と思いこんで停滞してしまう危険性がある。ダメだということはわかっても、どうすればいいかわからないのなら、選手は自分を「速くする」ことについて動機づけられない。また、「もっと速くしろ!」という働きかけで仮に速くなれたとしても、なぜバスケットボールではその局面で速くすることが有効なのか、という理路が伝わらない。「速くすれば大丈夫、上手くいく」というわけだ。これでは競技の全体を理解していく方向に行けない。

「こうするべきだ、なぜならばこうだからだ」というように、プレイの背景にある理屈を認知させながら指導することで、選手はコーチの指導に正当性を感じるだけでなく、バスケットボール全体を構成するプレイの要素を自分の中で結びつけはじめる。その結びつきこそが競技全体への理解そのものであり、この理解こそが「わかりそう、できそう、やりたい」という自律とやる気にとって大切だ。

誰かを指導しなければならない機会というものは誰にでもあるものだ。「具体的にどうすればいいのか」と「なぜそうするべきなのか」をしっかりと伝えているだろうか。細やかで正確な言い方、言葉の選び方は、選手に問題解決のための適切な認知を与えて、目標へと向かうことを支援するカギとなるのだ。
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