ある日の練習中、筆者はリバウンドボールをとって着地した瞬間にぎっくり腰になった。ぎっくり腰とは簡単にいうと「腰の捻挫」のことで、西欧では「魔女の一撃」とも呼ばれる。それまでも腰痛を抱えてはいたが、本格的に立てなくなるほどの症状は初めてだった。筆者は歩くこと立つことは愚か、椅子に座ることもできなくなった。チームメイトに助けてもらって自宅には帰れたが、人によっては体育館からそのまま入院してしまう人もいるくらいだ。
自宅療養を1週間ほど余儀なくされたこの時から、筆者はジャンプすることに恐怖を覚えるようになった。ぎっくり腰は思いもよらないタイミングで襲ってくる。空中で少しでもバランスを崩して着地してしまうと、またぎっくり腰になるかもしれない。全力でプレイすることができない日々が続いた。